【イナオリ】破壊の女神 (ページ34)

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翻弄ページ34

『日本！オーストラリアのプレイに翻弄されているぞ！今日の日本はボーッとしているようにも見えるが、どうしてしまったんだ！？』

実況から見ても、日本はボーッとしているように見えるらしい。

ということは観客から見てもそうなのだ。

「大ピンチですよぉ！」

「そうですね〜困りましたね〜」

そう話すつくしと監督の前に影が差し込む。

その影を作り出している人物を見て、目を見張る。

「雷門夏未です。強化委員として海外チームの調査をしていました」

紙袋を片手に立つ彼女。

彼女はかつて雷門が勢いを付け始めたときにマネージャーをしていた一人。

そして雷門理事長の愛娘だ。

海外チームの調査をしていたということは、オーストラリアの特徴も知っているはず。

今の状況を打開する道が見えてきたということになる。

「意外と可愛いなあ、おい」

剛陣が万作にそう囁くと万作は「ちょっと」と困ったように言う。

そして剛陣は夏未がお土産に持ってきた箱を開けると、

「………三色団子？海外に、いってたんだよな？」

と夏未に確認をとる。

「くる途中に買ってきましたが」

「それ、お土産って言わないんじゃ………」