【イナオリ】破壊の女神 (ページ23)

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「ヒロト………」

「練習中にイチャついてるんじゃねえよ！」

そんな光景を見ていた灰崎が噛み付いてくる。

「は？イチャついてなんか」

反射的に否定しようとしたAだが、確かに傍から見たらイチャついてるようにも見える構図だった。

というか、ヒロトが完全にAに抱き着いているのだ。

「邪魔すんなよお前」

口を尖らせるヒロトと「あぁ？」と突っかかる灰崎。

イナズマジャパンガラ悪くないか？

ヒロトといい、灰崎といい、不動といい………睨み合う二人を見て呆れ返ってしまう。

「俺は今コイツと話してんだ。わかったらどっか行けよ」

しっしっと言うようにヒロトが手をひらひらさせると灰崎は顔を顰める。

今にも怒鳴ってきそうな表情だ。

頼むから、辞めてくれ。

この至近距離でヒロトに大声上げられたら鼓膜が破れてしまう。

そんなAの心中を察してか、灰崎は「そうかよ」とだけ言ってドリンクを飲み始める。

「………なんの話してたんだっけ？」

「俺がゴッドストライカーだって話だな」

「ああ、ゴッドストライカーさまが私を心配してくれた話か」

「てめっ………」

「まぁまぁそんな怒るなよー………心配してくれてありがと」

素直な気持ちを口にすれば、ヒロトは調子が狂うと言わんばかりに力のない声で「おう」とだけ返してきた。