【イナオリ】破壊の女神 (ページ22)

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練習ページ22

昨日貧血で倒れたおかげで、本日の練習には参加不可となってしまったA。

みんなが次の試合に向けて練習しているところをぼーっと眺める。

見学なんて、彼女にとってつまらないことこの上ない。

なんてったって、約一年もの間ずっと見学していたのだから。

「よーっす」

そんなAの隣に、吉良が座って肩を組んでくる。

「お疲れ、ヒロト」

「おーう」

スポーツドリンクを流し込むようにして飲む吉良の姿にAはクスリと笑う。

「何笑ってんだよ」

「別に。あのゴッドストライカーさまがそんなだらしない顔でドリンク飲んでるなんておかしくって」

「あ？俺だってフィールドブレイカーさんが貧血で倒れるなんて思わなかったぜ」

「はは。なに、心配してくたの？」

冗談交じりにそう発言すると吉良は黙りこくってしまう。

「………ヒロトさん？」

「………」

「あの、ヒロトさ」

「ああそうだよ！心配したよ！悪いかよ！」

ヒロトはAの頭に手を置くと乱暴に撫で、髪の毛をぐしゃぐしゃにしてしまう。

「ちょ、照れ隠しにボサボサにするのやめてって」

「じゃあもう二度と、俺が心配するようなマネはするなよ」

珍しく勢いの無いヒロトがもたれかかって来ながらそんな事を言うので、Aは戸惑ってしまう。