嘘3コ ページ5
貴方side
貴「あっ・・・・・」
放課後に人が来たのはいつぶりだろうか。
久しぶりすぎて、今すごく焦ってる。
？「すんません。ベッド貸してもらってもいいっすか？」
入ってきたのは長身の男で、髪型が・・・・・変。
貴「どうぞ。どのベッドも使ってないんで、好きな所使ってください」
？「わかった」
男は入り口から一番手前のベッドに座る。
男・・・。
やばい、超怖い。
だがここは学校。
"嘘"のAを演じなくては。
貴「えっと、どういった症状ですか？」
？「何か、すっげー頭痛くって。しかも歩くとクラクラするし。部活は中退してきたけど、今1人で帰れる状態じゃない」
よく見れば、赤いジャージ着てる。
あぁ、運動部の人なのか。
貴「頭痛とめまい・・・あの、何部なんですか？」
？「バレー部」
・・・心臓が握りつぶされたかと思った。
聞き間違いかと思った。
貴「バレー部・・・」
今はそんなことより仕事だ。
この人の症状を聞かないと、考えないと。
場合によっては先生を呼ぶ必要もあるのだから。
貴「・・・バレー部って事は体育館か」
この人の顔は赤くない。
どちらかといえば、青白い。
貴「あぁ・・・熱中症ですね」
？「え、マジで？」
貴「マジです」
？「これでも相当気にしてるんだけど」
貴「この時期は気温も上がってきて、まだ体が慣れていないんですよ。だから、思っている以上に汗もかいてるんです。結構水分失われているんですよ」
軽く説明しながら、保健室の冷蔵庫からスポーツドリンクを出す。
貴「・・・あの」
？「何？」
貴「粉タイプのスポーツドリンクって、飲めます？」
？「いっつも部活で飲んでるから大丈夫」
貴「なら、これ飲んで寝てください」
？「おう、サンキュー」
貴「時間になったら起こしてあげますから、安心してください」
そのままベッドのカーテンを閉めた。
何か言いかけていたような気もするが、気のせいだろう。
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作者名：紫杏 | 作成日時：2017年2月14日 23時
