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嘘1コ ページ3

貴方side

桜が咲き、春が来て、新たなステージへ皆進んでいく。

「A、おはよー」

貴「おはよう」

もう5月。
高校の入学式からもう1ヶ月経った。
改めてカレンダーの日付を見て、時間の流れは速いなと感じる。

「A!!」

バンッ!!と私の机を叩く音で現実世界に戻される。

貴「え、何?」

「お願い!課題見して!!全然わからない!!」

貴「はぁ・・・これで5回目。今日のお昼何か奢ってくれるならいいよ」

「いいよいいよ!全然奢るよ!むしろ奢らせてください!!」

貴「ほら、これでしょ?」

「ありがとうA!愛してる!!」

貴「軽い愛なんか要らないわw」

友人は私のノートを持って自分の席へ帰って行った。




・・・めっちゃ怖かった。




もう嫌。
怖すぎる。
私のこの嘘で固めた"私"は、違和感なくできているだろうか。
不安で不安で、お腹が痛い・・・。

「綾凪ってさ、本当面倒見いいよな。なんか、お母さんみてぇw」

貴「何それw」

ちょ、何なの!?
何でそうなるの!?
まず、何故私に話かけるんだ!!!!

貴「ほら、どうせ〇〇も課題やってないんでしょ?アホみたいな事言ってないで、さっさとやったら?」

「あ、やべぇ!時間ない!!」

・・・我ながら、いい演技力だと思う。
こんなことなら、演劇部にでも入ればよかったかも。
・・・って、そもそも人が怖いのに、無理か。









今日も嘘で作った"私"の長い1日が始まる。

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作者名:紫杏 | 作成日時:2017年2月14日 23時

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