【刀剣乱舞】喋ってはいけない審神者 (ページ9)

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(7) : 喋ってはいけないページ9

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キラキラと目を輝かせる二振り。
数秒後の未来に罪悪感を感じた。

｢乱藤四郎様…初めまし｢きゃぁぁぁぁっ…！や、なに、こ、れ！あぁっあぁ！｣…すみません｣

名前を呼んだ瞬間、乱は肩を跳ねさせてその場にへたり込んだ。赤く染まる頬、潤む瞳には涙が溜まっている。隣にいた長谷部はビクリと肩を跳ね上げ固まってしまったがへたり込むまではいかなかった。

｢へし切長谷部様…これからよろし｢ぐっ……ふ、っ！これ、は……っぅあぁ！｣…ダメか｣

と思ったのもつかの間。
膝をつきハァハァと肩で息をする長谷部。やはりこうなってしまったかと魚のようにビクンビクンと震える乱と長谷部を見ながら黒マスクをはめた。

廊下に向かった加州のところに行くと声が少し聞こえていたのか少しだけ息が荒い。

大したことないと乱と長谷部がいる部屋の中に覚束無い足取りで入り少しして出てくると時間が経ってあの二振りが動けるのを待とうということになった。

めそめそしながら加州と待っていると数分後顔をまだ赤くして中から出てきた2振りに何度も書面で謝罪をし本丸を案内することにした。

まだ少ない人数には大きすぎる本丸を案内し終わると休憩がてらに茶を入れて縁側に4人で座り団子を振舞った。

少し落ち着いてきた頃合を見て少女は自分の“声”について説明した。思い出したのかほんのりと頬を赤くする二振りは割とすんなり少女が喋ってはいけないという事を納得した。

｢それにしても声に霊力ですか…珍しい事もあるんですね｣

｢僕あんなに乱れたの初めてだよ！｣

｢霊力は勿論だけど主は手入れも上手だかんね！俺のお墨付き｣

『ありがとうございます』

茶をすすり、団子を食べて縁側で日向ぼっこ。
先程の光景とは想像が出来ない程穏やかな昼下がりだ。

思わず｢ふふ｣と微笑めば｢ふぁ！？あぁあっ！｣｢あぁっ、んんんっ！｣｢ぐっ！っうう！｣とビクーンと肩を跳ねさせ廊下に倒れ込むものだからお茶の入った茶飲みを持つ手に力が入る。

こんな小さな声でもこうなるのかともはや新しい発見に複雑だが成程とうなづいてしまった。

美しい顔を存分に色っぽくしている三振りに少女はオロオロとしていると鍛治場の方から妖精が歩いてきた。