【刀剣乱舞】喋ってはいけない審神者 (ページ3)

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(1) : 喋ってはいけないページ3

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よく晴れたある日

歴史修正主義者と戦う為に選ばれた審神者なるものがまた一人本丸にやってきた。

だが、少女の顔はどの新人審神者も見せる嬉々とした顔ではなく少し納得のいかないといった不満を表していた。

少女の口元には顔の半分を占める黒いマスク。
そんな少女に見向きもせず淡々と本丸の案内をするこんのすけの耳には違和感しか感じない耳栓がねじ込まれている。

そんなこんのすけの様子を見て少女は更に不満を感じた。

何故、少女が不満を感じこんのすけが耳栓をしているかというのにはある理由があった。

別に少女は政府が誘拐さながらに連れてきた訳でもなく売られたわけでもない。

少女は、審神者という存在が現世でも公認されちゃんとした職になった時代に生まれ、自分の意思で審神者になりたいと手を挙げた者だった。

誰でも審神者になれる訳でもなく、まず霊力がないと就くことは出来ない一にも二にも難しい職業でもある審神者に少女は念願叶って就くことが出来たのだが…。

本丸を貰う日に、少女に言い渡されたのはサプライズ爺もびっくりのとんでもない事だった。

少女の霊力はそこら辺の審神者より清らかで量も多く質もよく濃厚だと言う。刀剣男士からすれば一口食べたらもうやめられない程の中毒,性を持つ甘美な果物のようなもの。

だが、そんな霊力を持ちながらも自慢することではないが少女の霊力の扱いが下手くそだときた。
制御が出来ない少女の霊力は何故か口から垂れ流れているのだと担当の方はいう。

ヨダレのように口から垂れ流すのではなく言葉を発したりクシャミなどアクションをすることによって刀剣男士に馬鹿みたいに霊力が流れ込むのだと説明する担当の目は笑っていなかった。

普段の少女の持つ霊力でさえ何度も味わいたくなる中毒,性を持つというのにそれが馬鹿みたいに大量に体を満たすものだから刀剣男士にとって一種のビ...薬のようなものになると担当は告げる。

言葉がビ…薬になる？

とその時はピンとこなかったがこんのすけから初期刀である加州清光を顕現してから少女は身をもってその意味を深く理解できた。