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side 宇野昌磨
それは突然だった。
昼間の練習後の休憩時間。
スマホが鳴り、スマホには宇佐美さんの名前が映し出されていた。
さっきまでラインのやりとりはしていたが、あまりにも何の前触れもなかったため焦ってしまった。
なんにも悪いことはしてないのに辺りに人がいないのを確認してしまう。
「はい。もしもし」
『昌磨く…ん』
あんまり良い話じゃないのは宇佐美さんの掠れた声で読めた。
「そっち、深夜ですよね？だいじょ…」
『どうしよう』
宇佐美さんらしくもなく言葉は遮られてしまった。
余程、追い詰められているのだろうか。
『わ…私…』
電話越しでも宇佐美さんが泣いているのが伝わる。
「宇佐美さん？どうしたんですか？」
『私のしてきたこと全部、意味なかったのかなぁ…』
「え？」
ほぼ、直感的にゆづくんと何かあったんだと理解できた。
『結弦に告白したこととか、結弦のためにやったこととか全部、結弦にとったら余計なことで、全部意味なかったのかなぁ』
自嘲的な笑い声が聞こえる。
「何かあったんですか？」
『このままだと私、結弦に別れ話される』
ゆづくんの考えがわからなかった。
宇佐美さんにあれだけ尽くしてもらって何を今更、振る原因があるんだろう。
中国杯のことだって、そりゃあゆづくんにとったら気に入らないのかもしれない。
たけど、宇佐美さんのゆづくんへの愛に充ち溢れたら行動の何が気にくわないんだ。
ゆづくんへの怒りが募る。
『って…ごめんなさい。私、昌磨くんに言ったって仕方がないこと言ってるね。ごめんなさい。ほんとに…』
「嬉しいです」
喰い気味な返答にスマホの奥から「え？」なんて惚けた声が聞こえた。
もちろん、ゆづくんと宇佐美さんが別れそうだからじゃない。
「宇佐美さんが頼ってくれたことが嬉しいです」
いつも穏やかな宇佐美さんが感情をさらけ出してくれたことが何よりも嬉しい。
「僕はゆづくんみたいに背は高くないですし、顔も整ってないです。それに年下だし、不器用です。勝ち目はないです」
でも、宇佐美さんのことを本気で好きなのは僕だ。
「でも、宇佐美さんに寄り添うことができます。宇佐美さんの痛みに耳を傾けて、支えることができると思います」
こんな、隙をつくみたいで悪いと思う。
「宇佐美さんの淋しさを埋めるためでもいいです」
男らしくないと思う。
「僕のことも考えてみてくれませんか」
でも、宇佐美さんの側にいたい。
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らっき(プロフ) - 完結されてからかなり経ってしまっていますが、読ませていただいてすごく好きな作品になりました。書いて下さってありがとうございます！それだけ伝えたくてコメントしました(*^^*)見てくださるといいなぁ、なんて思ってます！ (2021年12月7日 22時) (
レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - 大変お久しぶりです。最後まで読ませて頂きました。ぜひとも、時間があるときで構いません。名前を自分の名前に変換したものを読みたいので、よろしくお願いします。 (2018年9月2日 8時) (レス) id: 058ee396c0 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - yuccoちゃんさん» ほんとうに読んでいただきありがとうございました！ (2018年4月9日 9時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - こんばんは！ゆづのドSなセリフにトキメキました！言われたい！サイコーの終わりでした！番外編で続きも読みたいです！ (2018年4月8日 1時) (レス) id: 72d5e5baf7 (このIDを非表示/違反報告)
納子(プロフ) - 鹿さん» いつも丁寧なコメントをありがとうございます。読んでいただけてほんとうに嬉しいです (2018年3月29日 20時) (レス) id: 21906f0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：納子 | 作成日時：2017年9月7日 21時
