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「こういうことは、ちゃんと言葉にしなくちゃね」


そう言って、Aさん、と丁寧に名前を呼ばれ、身体を引き寄せられる。距離は、ゼロ。


「…好き。すごく、好きです」


……、

目を閉じて、私は、笑ってた。陸さんの背中に腕を回し、力を込める。

陸さん。りぶさん、私は。


「私は、ずっと昔から、大好きです」


実際にお会いできた、前から、もうずっと昔から。この人の歌声に、どれほど、救われてきたか。気づくと、両肩を優しく掴まれていて。陸さんの澄んだ黒目のなかに、私が映っている。こんなに、嬉しいことは、ない。



「陸さん、少しだけ、屈んでもらえますか」


そう頼むと、不思議そうに、腰を落としてくれる。今日はずっと、私ばかり、心を動かされっぱなしだから。陸さんの肩に手を置き、触れるほどのキスをする。

顔を離すと、固まっている陸さん。ふはは、してやった、心臓ばっくばくだけど!!


そして、あの日からずっと、もうどう考えてもそこに辿り着いてしまう、大きな想い。色々すっ飛ばすけどいい。当たって砕けろ、あたし。


「陸さん、私と、家族になってくれませんか?」



…どれくらい、経ったか。固まっていた陸さんが、息を吐き、そのまましゃがみこむ。俯き、手の甲を口元に当てている。あれ、なんか、こんな陸さん見たことあるような。


△▽



参った。本当に。Aさんはどれだけ、俺の予想の範疇を超えてくるんだろう。家に連れてきた日から、気づくとAさんのことを考えてた。そしてまだ、大事なことを言葉で伝えていないことに気づいた時に、着信がきて。

もしかしたらAさんも、同じような気持ちになってくれていたのかも。


Aさんはとてもまっすぐに、光る目で、多分一生で一度の言葉を、ぶつけてきた。思わず、しゃがみこんだ俺に、心配そうに声をかけてくれる。大丈夫、という意味をこめてその手を握ると、ほっとしたような気配。


いつか、こんなふうに、Aさんが声をかけてくれた気がする。重なって、思い出す。


そう、あの日カラオケで。隣の部屋から聴こえてきた、ヨンジュウナナ。すごく、気持ちが入っていて。
どこか俺の歌い方に似ている気がして、嬉しさと、気恥ずかしさで、動けずにいて。まさか、声をかけられるとは思ってもなかったけど。

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ちぎょ(プロフ) - 皆々様、お世話になっております、作者のちぎょです。続編のようなもの作ったんで、よろしくどうぞ!やっちまった感あります!ではでは。 (2018年8月18日 2時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃(プロフ) - うわ、好きです(突然の告白) (2018年8月12日 19時) (レス) id: eceedcc17c (このIDを非表示/違反報告)
蒼依(プロフ) - ちぎょさん» めっちゃ楽しみにしてますね!! (2018年8月3日 18時) (レス) id: 0ab5b0bbe0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - 一回、うえってくらいあんまい話書いてみたいんですよね…りぶさんに酔っ払っていただくか… (2018年8月3日 10時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - 蒼依さん» 蒼依さん感想ありがとうございます!書き始めた当初は友人のまま、面白おかしい関係でいくつもりだったのに、先に行きたい欲が出ましたね…夏なもんでね…続編とか言っていただけで嬉しすぎます!未定ですが、また短編集を作りたい気持ちはあります(・・*) (2018年8月3日 10時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぎょ | 作成日時:2018年6月24日 19時

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