陸 ページ7
「えっと、今日は頼みを引き受けてくれてありがとうございました……」
「別に、いいんですのよ。最近は退屈で。
…それより、どうして薬研藤四郎にそこまで肩入れするんですの?
貴女初めて会ったときに腕を斬られたんでしょう?」
確かに……。
何でだろ。
別に将来審神者になるつもりなんて全然なかったし、薬研藤四郎なんてもっと知らなかった。
「正直、…よく、わかりません。
私、わからないことだらけで。私不登校なんですけど、自分で何で学校休んでるのかもよくわかんなくて。
最初は明日先生に怒られるからヤダなー休みたいなーって休んで、そっからずっと休んでて」
「…そう」
「最近、何を考えればいいのかもわかんなくなってきて……。
薬研と、薬研の兄弟達を助けたいのは多分ほっとけないから」
傷だらけで、怖がってて、助け求める目で、
あの子を助けなかったら私はもっと人でなしになっちゃうよね。
スズッとお茶を飲み干す。
「まあ、いいですわ。
それでその例の本丸なのだけど本当に本丸ナンバーはわからないんですの?」
「はい、多分」
審神者は自分の本丸の刀剣男士なら探し出せるらしい。
探し出せる、もしくは探し出せてる薬研を必死で追ってこないのはやっぱり薬研が本丸ナンバーを知らないからだと思う。
でもいずれ薬研を取り戻しに来るだろう。
このまま私がその本丸を探し続けて通報されたらヤバいんだろうから。
「薬研!薬研!来てちょうだい!」
審神者さんが薬研を呼ぶと数秒後にスッ…と襖が開いた。
…薬研。
彼を薬研と呼んでは私の部屋にいる薬研と区別がつかないから薬研‘‘くん”と呼ぼう。
「なんだ大将?俺っちに用か」
「薬研、ここに」
「?…おう」
「どうです?声の出る薬研を見た気分は」
「…予想より、低音ボイスで、驚きました」
どこの薬研も賢いようで、薬研くんも私の所にいる薬研は声が出ないとわかったらしい。
多分、私が審神者だとでも思ってるのかも知れない。
ラッキー男士
槍
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空と桔梗(プロフ) - 夕月さん» コメントありがとうございます。時間はかかると思いますが、ふるゆらを終えた後に流星を書きたいと思います。 (2016年5月31日 22時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - ふるゆらを続けて終えた後に流星がみたいです (2016年5月31日 22時) (レス) id: 0a055286aa (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - カルーさん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - 柊椿さん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
カルー(プロフ) - 毎度、楽しく読ませて頂いております。できれば、続けて頂きたいです。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: 9d53292aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空と桔梗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Kuroraand/
作成日時:2016年4月25日 22時