【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

伍 ページ6

「主、客？」

「ああ、加州さん、お茶を私(わたくし)の部屋まで」

「りょーかい、燭台切さんに用意してもらうね」


はあ、ここが本丸……。

それにしてもデカいな……。
…本丸がだよ？


「おっ！主、客人か？」

「……見学です」

「彼は鶴丸。あまり近づかない方がいいですわよ。イタズラの餌食になりますわ」


へー、子供みたい。
…まあ、審神者さんに構ってほしいのかな？

それにしてもみんなイケメンだなぁ。
そんでこの人白いなぁ。


「おいおい主、それはないだろう。見学が勘違いしたらどうするんだ？よろしく頼む、見学」

「あ、…よろしくお願いします」


不登校の軽度のコミュ症にイケメンとの握手はちょっとキツイなあ…。

そんなことを思いながら握手を交わす。
……と、手にベッタリ、何だ？これ。

…接着剤だ。え？何、こいつ、ふざけてんの？


「ほら、私は忠告しましたわよ。
鶴丸、このことは燭台切に伝えておきますわ」

「え、主、そんな驚きは必要ないぜ」


燭台切さんが誰かは知らないけど、もっとやられろ。

っあー…手がベタベタする……。


「その必要はないよ。見てたからね」

「みっ、光忠……」

「よろしくね、見学ちゃん。僕は燭台切光忠、出来れば燭台切の方じゃなくて光忠で呼んで」

「よろしくお願いします、光忠さん」


光忠さんから濡れタオルをもらって手を拭く。
瞬間接着剤じゃなかったのが救いだな。

私の辞書には鶴丸さんは警戒すべき人として刻まれた。
あの人とはもう握手しない。

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