【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

拾貮 ページ13

「！…お前」

「……あなたがこの本丸の審神者ですか。
なんでこんなこと、したんですか」

「逆に僕が聞いてもいい？
どうしてお前がこのGPSを？」

「私の友達のお兄さんの友達が時の政府の役人なんです。
今回は無理言って借りました」


ただのGPSじゃなくて盗聴器付きのGPSなんだけどね。

でもどの亜空間か探すのには苦労した。

支部には本館とは別にA、B、C棟があって各棟にはそれぞれ大量の扉がある。
その扉が本丸がある亜空間へと続いているわけで、流石にGPSじゃどの扉かはわからなくていちいち訪問する羽目になった……。

いやぁ、めんどくさかったぁ。


「ねえ、薬研本当は声が出たって知ってる？
お前に嘘ついてたんだよ。それでも助けたいって思う？」

「大将っ！」


薬研が罰の悪そうな顔でこっちを見てる。

…不安、なのかな。


「大丈夫です。私、薬研が嘘ついてること知ってましたから」

「…は？」


睨んでくる審神者さんとは違って不安そうに薬研を抱きしめてる一期さんと、口をポカーンと開けてる薬研。


「嘘なんて誰でもつきますし。
別にそれぐらいで友達のことを嫌いになりません」


私は一日一個は嘘をつくしね！
誇れることじゃないけど。


「あと数分で政府の人が…ってかGPS貸してくれた人とその同僚さん、ブラック本丸専門の人達がここに着きます」

「……クソ…」


何事かと集まって来た刀剣男士の刀を奪って審神者さんが私に突っ込んできた。

キィン____。


「薬研！」

「大丈夫か、大将」

「えっ、あ、う、うん…」


カチカチと刀と刀が震えている。
…二人とも全力だ。


「そこを退けっ、薬研！」

「悪りぃな、元大将。俺っちの今の大将はこの人だ」


薬研、君イケメンすぎませんか。

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