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拾壹 ページ12

「はい、薬研おかえりー」

「薬研っ…!」


どさっと薬研が床へと落とされた。
その姿はもう人へと戻っている。


「薬研、その服は……」

「ああ。薬研はね、人間の女の子の家で匿ってもらってたんだよね。
てっきり人間はロクでもない奴だって思ってると」

「…っ。大将はそんな奴じゃない…!」

「……あの子のこと‘‘大将”って呼ぶんだ?」


真顔になった審神者は薬研を思い切り殴った。

審神者の手がもう一度薬研を捉えようとしたとき一期一振が薬研の前に出た。


「お止めください!殴るなら、私を……」

「チッ。あ…薬研さ、あの子の前で喋らなかったんでしょ。
お前を刀に戻してからあの子の部屋物色してたらきったない字が書いてあるノート見つけたよ」

「それは……」

「お前が実は喋れた、声が出た、なんてあの子が知ったらどう思うかな?
裏切った?信用されてなかった?」

「っ……大将は、…」


そんなこと言わない。

薬研は声が出なかった。
まだ完璧に人間を信じ切れていないから。

大将とあの少女をそう呼んでいるくせに少女をまだ信じ切れていないことが恥ずかしい。
薬研は唇を噛んで俯いた。


「人間なんてそんなモノだよ。
いっつも自分に都合の良い非日常を求めてる。
どうせお前を助けたのも、楽しいことが始まるって思ったからさ」

「違う……違う!大将は…」


審神者は薬研を蹴る。
今度は身体が軽く吹き飛んだ。
薬研が壁にぶつかったときにカツンと黒い物が出てきた。

審神者はゲホゲホと咳き込む薬研を通り過ぎそれを拾った。


「…これ、見たことがある。政府が使ってるGPS……何でこれをお前が持ってるの、薬研」

「……知らない」

「何、政府が?いや…違うな。あの女か…!
何であの女がこれを……チッ、マズイ。
政府が来る前に逃げないと…!」


審神者が引き戸に手をかける前に暗い部屋に光が差した。


「薬研!無事ですかぁあ!!」

拾貮→←拾


ラッキー男士


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設定タグ:刀剣乱舞 , 薬研藤四郎 , ブラック本丸   
作品ジャンル:アニメ
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空と桔梗(プロフ) - 夕月さん» コメントありがとうございます。時間はかかると思いますが、ふるゆらを終えた後に流星を書きたいと思います。 (2016年5月31日 22時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - ふるゆらを続けて終えた後に流星がみたいです (2016年5月31日 22時) (レス) id: 0a055286aa (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - カルーさん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - 柊椿さん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
カルー(プロフ) - 毎度、楽しく読ませて頂いております。できれば、続けて頂きたいです。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: 9d53292aa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空と桔梗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Kuroraand/  
作成日時:2016年4月25日 22時

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