【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

10000hit記念番外 ページ36

「見合い！？」

「そうだ。上層部の方の娘さんがお前に一目惚れしたらしい。…この見合いはほぼ決まっている」


だん！黒髪にピアスをしている男__春樹(ハルキ)は目の前の父親との間にある机を叩いた。

-見合いだって？ふざけんなよ…！てめえの地位築く為に子供まで利用する気かよ…！

春樹の父親は時の政府の役人…それもかなり地位が高い。今回の見合いはそれよりも更に地位の高い役人の娘と結婚させる為のものだ。
恐らく、そうする事で自分の目の前の男(父親)は地位が上がる……だから受理したんだろう。

-まだ19歳の息子に見合いをさせてまで‘‘それ”が大事なのかよ！


「見合いまでにその口調を直しておけ。お前の口調はどうにも野蛮だ」

「知るかよそんな事…！俺はお前に育てられた覚えはないぞ！俺を育てたのは使用人だろうが！なんで今更口調を変えなきゃならねえんだよ！」


春樹は自分が苛立っているのを感じる。


「その金を出したのは私だ」

「〜ッ！」


何を言っても無駄だ。
この男は自分が何を言おうが、嫌がろうが構わないんだ。

-見合いなんてしてたまるか！…何よりこいつの言いなりになるのが許せねえ……！！


「とにかく、見合いは応じる」

「……チッ」


・

・

・


「はあ…春樹さん遅過ぎ！」

「すみませんね、もうすぐ来るはずなんですが…」


男は春樹の見合い相手とその親に頭を下げた。どちらかと言うと親の方に頭を下げたのだが。
男が腕時計を見るのと同時に(料亭の個室の)扉が開いた。

-やっと来たか……。

安堵し、顔を上げた男の顔が絶望に変わる。


「ごめんなさい。お待たせ致しましたわ」


-こ、この女は、間違いなく春樹だ…！

春樹は見合いを断られ(断らせ)、実家を出る。
そして審神者という職業についた。


__________
記念番外なのに主人公、薬研、刀剣男士が全く出なくてすみません。
今回は分かる人には分かる話ですね。主人公は本編にも出てきたあの人です。あの人の成り立ちはこうだと最初から決まっていました。

10000hitありがとうございます！

弎拾肆→←弎拾弎

ラッキー男士

槍

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す