其の四十九 ページ5
立ち上がった半平太にAが「私も行くよ」と言おうとした時、龍馬が半平太を止めた。
「そんな体で、行かせるわけにはいかない」
「アザ…離せ…。わしは行く」
「おまん!たいがいにしときや!
どういて武市さんはいつもそうながじゃ。
義理とか、人情とか、そんな一文にもならん事に命を懸けおって。
京で政変が起きた時も、どういて長州に身を寄せず、危険があると承知で土佐に帰ったがじゃ!」
Aは内心驚いていた。
あの坂本が怒鳴るとは。と
パソコンを使えるようになった後、新選組の末路を知るために情報を漁った。
ほとんどが死んでいた。
生きていると確実だったのは斎藤一だけ。
近藤勇は坂本龍馬暗殺の疑いをかけられた新選組の局長。
土佐藩の強い要望により斬首。
Aは土佐藩が嫌いになった。
以前半平太がAの頭についた葉を取ろうとした時も咄嗟にその手を払ってしまった。
土方歳三は銃で。
沖田総司は病で。
特に仲が良かった幹部勢はそのほとんどが死亡していた。
凄くショックだったのだ。
(彼はまだ生きていた頃に武市さんの切腹を知ったんだ…。
危険な目にあわせるたくないのは当たり前だな)
半平太の切腹は腹を横に三回切るというあの時代では誰も成し遂げた者はいない、見事なものだったらしい。
(ただ残された人の辛さは半端じゃないんだよねー…)
「城から横目が来る事も、中岡達が知らせたはずじゃろ!
どういて素直に逃げんかった!?
切腹させられるがは分かっちょったはずじゃ!」
「わしは土佐勤王党を率いておったがじゃ。
わしを慕うてくれた同志達を置いて行けるわけなかろう。
やはりお主とは、相容れないものがあるようじゃの」
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まゆ - 面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年1月25日 23時) (レス) id: 5050a4539b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空と桔梗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Kuroraand/
作成日時:2016年1月10日 22時