第8話 ページ9
「そういえば、サングリアはジンとどんな関係なんですか?」
『うん?どうして?』
窓から見える景色が素早く移り変わる車の中。
車の種類には疎いからよく分からないけどたぶんなんかすごい車だろう。
あの後、家まで歩くのめんどくさいなぁと思っていたらバーボンが「乗せていきましょうか?」と親切に誘ってくれたので言葉に甘えて送って貰うことにした。
「来た時にベルモットとジンの所に泊まってたと話していたので。
その後もジンのことをとても良く分かっているような口ぶりをしてたかなと。」
思った通り、勘が鋭いようだ。
まぁ知られたくないことじゃあないし、正直に話すけどね。
『恋人だよ。』
「へ?」
ニコニコと幸せそうな笑顔で言うと意外と素っ頓狂な声で驚いてくれた。
『幼なじみ兼恋人。あぁ、別に引いてもらって構わないよ。恋愛なんてそれぞれ別の価値観があるんだから。』
「いえ、意外だなと。全然タイプが違うじゃないですか。」
『あぁ、ね。彼、目付きで人を殺せそうだよね。昔からあれなんだ。彼に罪はない。まぁ殺してるけど。』
ハハハと笑いながら言うとバーボンも笑顔で話を聞いてくれる。
『でもね、あんなジンでも俺の下では……うーん、ここから先は控えておこう。ジンが可哀想になるね。あ、こんな話したことジンには内緒にしててよ。殺される。』
「わかりました。」
相変わらずのベビーフェイス笑顔で頷いてくれる。そういえば、何歳なんだろう。まだ若そうだし彼女とかいるのかなぁ。
「着きました。ここですよね?」
『あぁ、ありがとう。今度美味しい物でも奢ってあげるよ。』
「いえいえ、それではまた。」
去っていく車にバイバイと手を振り、見えなくなったらバーボンが送ってくれたマンションとは違う方向へ歩き出す。
俺がジンに疑われている人に自分のマンションなんてみせるわけないでしょ?
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ふづき - はぁすき… (2022年5月15日 17時) (レス) @page15 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こういう大人同士の恋愛最高です。ありがとうございます。 (2021年6月25日 5時) (レス) id: 60eacbb9ae (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お元気ですか? (2020年12月23日 3時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2020年5月2日 17時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さ、最高……まさに僕の理想がつまった小説さん、、やっと見つけました…!更新、楽しみにしております、! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そいち x他1人 | 作成日時:2018年6月15日 21時