第10話 ページ11
少ししてからバンバンバンとドアを叩く音とともにウォッカの声が聞こえた。
「サングリア!兄貴が!」
急いで玄関へ駆けつけドアを開ける。
目の前に見えたのはウォッカとジン。
ウォッカの肩に腕を回し、もたれかかっているジン。腹から血が出てる。
驚いたが、この世界じゃ少なくないことだ。
『入って、ベッドに寝かせて。
救急道具持ってくるから。』
「わかった。」
ウォッカにジンを運んでもらい俺は道具を取りに行く。
寝室に行くと苦しそうに呼吸をするジンと焦ってるウォッカ。
『そんなに焦んなくても死にはしないよ、落ち着いて。』
「で、でも、兄貴が、」
『大丈夫だって。
脱がすよ、ジン。』
一応脱がすと声をかけると小さく頷いてくれた。
見たところ脇腹を銃で一発撃たれてる。
出血量がまぁまぁあるが致命傷にはなってない。
『ウォッカ、ジンの服流しに持ってって洗っといてくれるかな。』
指示するとしっかり動いてくれるウォッカ。普通に頼りになる。
傷口を消毒し、止血し包帯を巻いていく。その間もジンは少し苦しそうだ。
『ん、終わった。大丈夫か?』
「う、あ、あぁ。」
『誰にやられたんだ。』
「取引先だ。くそ、あいつら、俺らが殺すこと知ってて、先手をうってきた。」
いつも悪い目付きがさらに悪くなってる。
まぁ、この傷じゃあ少なくとも2週間は安静にしてないとだしな。
『そうか、まぁ休んでて。』
額にキスを落とし寝室から出る。流しで一生懸命洗ってくれているウォッカに声をかける。
『ウォッカ、ありがとう。あとは俺がやる。』
「サングリア、兄貴は…」
『大丈夫だってさっきから言ってるだろ。寝室で寝かせたよ。あの傷じゃ最低2週間は休ませたいんだけど……』
「兄貴は無理するぜ。今回の取引先も片付いてない。」
『ジンの埋め合わせは俺がやる。とりあえず今回の取引先を全員殺せばいいんだな。』
「ああ。」
『わかった。ウォッカも帰って休んで。あ、怪我ない?』
「俺は大丈夫だ。じゃあ。」
『ん、またね。』
死ななかったとはいえ、俺の大切な人に傷作ったんだから、容赦はしないよ。
604人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふづき - はぁすき… (2022年5月15日 17時) (レス) @page15 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - こういう大人同士の恋愛最高です。ありがとうございます。 (2021年6月25日 5時) (レス) id: 60eacbb9ae (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - お元気ですか? (2020年12月23日 3時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2020年5月2日 17時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さ、最高……まさに僕の理想がつまった小説さん、、やっと見つけました…!更新、楽しみにしております、! (2019年5月17日 22時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そいち x他1人 | 作成日時:2018年6月15日 21時