拾 ページ10
「雨だぁああーーー!!!」
傘を忘れた私はスクールバッグを上に上げ、突然のゲリラ豪雨に対応していた。
シャツがびしょ濡れで肌に張り付く感覚が気持ち悪い。
髪から滴る水滴に足を早めた。
学校からの帰り。
明日からはゴールデンウィーク。
前述の通り。
私は傘を忘れた。
借りようとも思ったが、「まーいっか」と、軽い気持ちで外に出たものの、中々にヤバイ。
びしょ濡れでしかも気温が下がっていて寒い。
走って帰ろうとするも、信号に引っ掛かってしまった。
「うーーー。早く帰ってお風呂入りたい。」
靴の中も大洪水だ。
きもちわるい。
信号が青に変わると、また走り始めた。
そして、いつもの通り、公園を横切ろうとしたら、
「みゃぁ」
小さな声が聞こえた。
「ん?」
思わず、足を止める。
「みゃあ」
今度ははっきり聞こえた。
声のする方へ歩いていく。
「あっ!」
小さな子猫が段ボールに入っていた。
「みゃあ」
細々しく、か弱い声を出す子猫にひどく、庇護欲が掻き立てられた。
それからは、考えるより先に体が動いていた。
ブレザーを脱ぐと、子猫を包む。
そして、私の体温で少しでも暖まれればと思い、抱き締めた。
子猫は弱々しい抵抗をしている。
「大丈夫だよ。」
そう声をかけて、家に向かった。
101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:湊 | 作成日時:2020年1月11日 13時