玖 ページ9
特別授業が始まって、早二週間が経った。
時の流れとは早いものである。
「明日からゴールデンウィークだぁ……、!」
部室で思いっきり伸びをした私は、その勢いのまま机につっぷした。
「づがれだぁ…」
窓の外を見ると、雨がしとしとと、降っていた。
ここしばらくはずっと雨が降り続けている。
ゴールデンウィーク中はずっと雨が降るらしい。
「せんせ」
「ん?」
「ゴールデンウィーク中にデートしましょーよ。」
「却下」
「めっちゃ即答やん。」
私は頬を膨らませた。
「大好きなせんせぇとお出かけしたいなぁ…」
宇髄先生はめんどくさそうに
「ガキには興味ねぇよ。」
そう言った。
「私、見た目は可愛いって自負があるんですけど!」
「なら、もうちょいましな胸しろよな」
「んな!」
確かに私の胸は絶壁だけど!!まな板だけど!!!
「セクハラですよ!宇髄先生!」
「なに阿保なこと言ってんだよ。」
宇髄先生の男性らしいごつごつした手のひらで軽く小突かれる。
「むぅ……」
ガキ扱いが気にくわない…………。
不服そうな顔をすると
「不細工な顔だな」
そういって大きな手のひらで頭を撫でてくれた。
「えへへ……せんせぇ……すきぃ……」
思わず頬が緩む。
「そうか」
何故か、今日はいつも飛んでくる罵倒が飛んでこなかった。
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作者名:湊 | 作成日時:2020年1月11日 13時