漆 ページ7
「人をバカにした善逸も悪いし、人に暴力を振るったAも悪い。どっちもどっちだろ。」
「「うっ……」」
めちゃめちゃ正論言うやん、炭治郎。
「ほら、喧嘩はやめて、謝らないと、」
さすが、炭治郎。圧倒的長男力。
「「す、すいませんでした……」」
そうして、私たちは炭治郎に言われ、小学生のように頭を下げたのだった。
「ぶっ、ははははっっ!!!」
目の前の美丈夫が、腹を抱えて笑う。
放課後、部室で私は宇髄先生に、歴史の点数を伝え、大笑いされていた。
「十七点は派手にバカだな!!」
つぼにはまったのか、ずっと笑っている宇髄先生に私は、不服そうに唇を尖らせた。
「すまん。すまん。不貞腐れんな。」
そんな私の頭を宇髄先生はポンポンとしてくれた。
「先生好きぃ!!許しますぅ!!」
チョロい自覚はあるんだ。でも、宇髄先生には勝てない。
「で、お前どうすんだ?」
しばらく笑い続けた宇髄先生はそう聞いてきた。
「どうするって?」
「いや、ここまで点数悪かったら、部活どころじゃねぇだろ。いちよう、学生の本分は勉強なんだから。」
「わっ!宇髄先生が珍しく、まともなこと言った!」
私がそう言った、次の瞬間、冨岡先生の竹刀を彷彿とさせるような刺激が脳天を駆け巡った。
「痛ーーーーーっい!!!」
痛い。まじで痛い。
「もう!!冨岡先生といい!宇髄先生といい!人の頭をポンポンポンポン!!これ以上バカになったら、どーすんですか!!」
「しらねぇよ。」
「てか、宇髄先生、何で叩いたんですか?」
「ん?パレット。」
「あんたほんとに美術顧問かよ!?」
美術顧問というか、画材で人を殴るとか、人としてどうなんだ!?
「それより、お前の点数だろ。」
「どうしろってんですか。」
私がそう聞くと、宇髄先生は思案する顔つきになった。
まじ、真剣な顔してると、カッコいいな。
まあ、いつでもカッコいいけど。
そんなことを考えていると、宇髄先生が何かを閃いたような顔をする。
「おし。教えてやるから、今勉強しろ」
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作者名:湊 | 作成日時:2020年1月11日 13時