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拾参 ページ13

無一郎side


俺の姉は本当にバカだ。


めちゃくちゃバカだ。


とんでもなくバカだ。


「はぁ……」


リビングで真っ赤に染まった顔を膝に埋める。


「かわいい……」


でもそんな姉が俺は大好きだ。


小さな頃から大好きなのだが、反抗期に突入した今、お姉ちゃんと呼ぶのもなんだか恥ずかしい。


だが、反抗期に関係なく、下着が透けているのにも関わらず、猫と格闘していたのは切実にやめてほしい。


「なんで変なところ鈍感なんだろう……」


そういえば、有一郎は確か剣術を教わりに祖父の家に行ったはず。


無一郎一人であのバカ姉に対処できるのか、心の底から心配だ。


「みゃあ」


子猫が丸っこい目で見つめてくる。


落ち着きを取り戻した僕は小皿にミルクを入れて、猫に差し出した。


「飲みな。」


猫は最初は不審そうに見つめていたが、少しずつ飲み始めた。


ずぶ濡れの時は分からなかったが、この猫は随分とふさふさの柔らかい毛並みをしている。


恐る恐る触ると猫はなんの抵抗もなかった。


背中をゆっくり撫でる。


「ふふ」


可愛くて、つい笑みが溢れた。

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作者名: | 作成日時:2020年1月11日 13時

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