幸せを運ぶ鳥【今際の国のアリス】

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「みんな！鬼は今2階の中央ブロックにいる！」

「みんなで鬼の場所を教えあって手分けして陣地を探そう！」


悲鳴、銃声、最上階にまで漂ってくる微かな血の香り。
そんな中突然響き渡った誰かの声。


「いいアイデアだけど、応えてくれる奴はいないよ」


隣で独り言のように言う銀髪の彼は冷静すぎる。


でも事実。大きい声を出したら鬼に居場所がばれてしまう。
そんなリスク、できるならみんな負いたくないはずだ。


「鬼は4階中央ブロックから移動しようとしてる！」

「近くにいる人は逃げて！」


先程の声が届いたのか、鬼の居場所を教えるように女の人の声が響き渡る。


リスクを厭わない行動に、素直にカッコイイなと思う。


1つ下の階では2人の女性が鬼に見つかっていた。


あぁ、間に合わない。殺されちゃう。


1人は撃たれてしまった。
だが、もう1人はパイプを伝って上の階へと登っていく。


「すごい…！運動神経良すぎ！」

「クライマーか、やるねえ」


1人でも助かって良かった。
人が死ぬのには、まだ慣れていないから。


【ゲーム終了まで8分】

【現在の生存者 8名】

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