【A3】皆木くんが照れてくれない。 (ページ4)

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作戦１実行中ページ4

至「んじゃ、とりま早速綴に愛を直球で伝えてこい。」

『は？何言ってるんすか至さん。そんなの毎日伝えてるのでやる意味がな…』

至「はよ行け。」

『ハイ』

ーーー

たるちに追い出され、少し不機嫌そうな顔をしながらリビングへ向かう。

基本この時間帯には皆木くんはリビングにいて、本を読んだりテレビを見たりと色々な事をしている。

ちなみに何やっていても皆木くんは可愛い。
Aビジョンから見ればあのお方は控えめに言って天使だ。

あ、そういえばそれ言ったら皇くんに超絶引かれてたわ。私。

『あっ皆木くん見っけ。』

考え事をしているうちに私の足はとっくにリビングに踏み入れていた。

お目当ての皆木くんは予想通りリビングにいて
しかも運良く皆木くん一人しかその場にはいなかった。

「あ、Aさん。」

『なにしてるの？』

「さっきまでツタヤ言ってて、他の劇団の劇のDVD借りて今見てるとこっす。」

他の劇団のも見ておかないとっすからね！とはにかむ皆木くんは誰がどう見ても天使だろう。

「Aさんは？どうしたんすか？」

『えっ、いやあの特に用という用はないけど…』

打って変わってどもる私に皆木くんは不思議そうな顔をしてこちらを見た。

よし、髙橋A！逝っきまーす(白目)

『あの、皆木くん…好きです。』

「？俺もっす。」

伝われ…

『っ大好きです…。』

「？？Aさん？」

伝われ…！

『わっ私髙橋Aは！皆木くんのことがちょっ、超好きです！！』

ええいどうにでもなれ精神でつい大きな声を出してしまった。
しかも超好きってなんだ。そこは愛してるだろう。あ、でも無理恥ずかしくて言えない。

今頃そこらへんにいる至とか言う奴はにやけてる事だろう。死にたい。

当の皆木くんは、私を見て固まっている。
私も何も言えずただ皆木くんを見てるだけ。

そして、静寂が訪れる…。

…。

そしてこのまま１分という時間が経とうとした時だった。

「ふふ…ふ…」

あろうことか口元を必死で抑えながら皆木くんは笑い始めた。

『皆木くん？』

「あ、いや笑うつもりはなかったんす。

けどどうしてもAさんが可愛くて。」

彼に可愛いと言われただけで頬に熱が集まっていくのがわかる。

「俺はAさんのことが超超超好きっすよ。」

『う、あ…』

さらに熱が伝わっていく。

限界を通り越した私は

『あああああ』

「Aさん！？」

ただただその場を走り去ることしかできなかった…