五十四話 ページ9
「ふーん。不審な事故の調査ねぇ…」
「でも、今んとこは何にもわかってねえんだゾ。」
うんうん唸っていたらバンッと扉が開く音がして、デュースが走ってきた。
「エース！大変だ！」
よくここにいるってわかったな。
「ん？なんだよそんな慌てて……」
「クローバー先輩が階段から落ちて怪我をしたって……！」
『トレイ先輩が！？』
「ふなっ！まさかあの食えない眼鏡のトレイも？」
『食えない眼鏡って言うな。……でもトレイ先輩がそんなうっかりで落ちることある？』
「確かに、トレイ先輩はうっかりで転んだりはしなさそう。」
「話を聞きに行ってみるんだゾ！」
ハーツラビュル寮-トレイの部屋
「失礼しまーす。」
「クローバー先輩、大丈夫ですか？」
「おう、眼鏡！シケた面拝みにきてやったんだゾ！」
『こんちは、トレイ先輩』
「あれ、エーデュースコンビじゃん。それに、Aちゃんにグリちゃんまで勢揃いで。」
一応会釈はしておく。
「どもっす……ってケイト先輩、その『エーデュース』ってなに？」
「え？2人とも『ス』が名前の最後についてるからまとめてみただけ。」
「横着しないでください！」
ただ呼ぶのが面倒なだけでは？
「そんなことより、トレイ先輩の怪我ってどんなカンジなんすか？」
「ああ。階段から足を踏み外したんだ。受け身を取り損ねて、しばらくは松葉杖生活だよ。
今年のマジフト大会、俺は見学になりそうだ。」
「もー、マジ勘弁。主力選手のトレイくんがいないのしんどいし、また選手選びをし直さなきゃ。」
「「！！選手選び？」」
悪い顔すんな。
「なんだいキミたち。怪我人の部屋にどやどやと……って、Aもいたんだね」
見間違いでなければ、リドル先輩はふっと顔を綻ばせる。ｳｫｱ…破壊力…
ん〜……何か言いたげにエースがこっちを見てくるな。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
