五十二話 ページ7
「寮対抗マジカルシフト大会は、毎年世界中から観客が集まるんですよ。
まあ、去年はディアソムニア寮の圧勝だったんですが……
大会で活躍すれば、スカウトの目にかかることだってあるんですよ、ええ」
「じゃあじゃあ、俺様も世界中から注目されることができるってことか！？」
「うーん……残念ながらオンボロ寮は寮生が少ないですからねぇ」
「ふなっ！？」
『2人だけだし、私は魔法は使えないし』
「…はい、そんなわけで私はこれで。
ああ忙しい、忙しい！」
無理矢理話を断ち切られた。
オンボロ寮
帰ってもまだグリムがマジフトしたいのどうのこうの言っていたので、ゴーストさんたちに付き合ってもらって一戦した。
私は魔法が使えないので指示とかしか出来なかった。
見てるだけだったら面白そう。
ゴーストさんたち意外と上手かった。
いや、相手が初心者のグリムだからか。
もう一戦やるか！と話していた時、学園長がオンボロ寮にやってきた。
『あれ、学園長。何の用っすか。もしかして、お小遣いですか！？』
「オッホン、違います。ちょっと頼みごとがあって来たんですよ」
ゲッ、嫌な予感がする。
談話室
「で、なんなんだゾ、頼みごとって。俺様たちはもう雑用係じゃねーんだゾ。」
「実はですねぇ……」
雑用なら引き受けねえぞと言っても、無視して学園長は話し始めた。
「怪我人〜？」
「そうなんです。最近妙に学園内で不審な事故が起こっていまして。
それについての調査をお願いしたいのです。」
もう10人だと。そしてその生徒全員選抜メンバーに期待されていたと。
しっかしこれまた面倒な……
「そんな面倒くせぇこと、嫌なんだゾ」
「まあまあ、そう言わずに………そうだ、マジフト大会の出場枠はどうですか？」
「ふなっ！？」
グリムがその言葉に黙っているはずもなく、一瞬で了承してしまった。
単純な奴め……学園長も絶対に確信犯だ。
かくして今ここに生徒の不審な事故調査隊が設立したのであった。いえーい…。
これも「イベント」の一種なんですかね。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
