九十一話 ページ47
図書室
『ええと……ドワーフ鉱山は…魔法石が…』
魔法薬学はまあわかる。実技はグリムがやるから私は筆記で取らないと。
「ドワーフ鉱山では宝石発掘中に魔法石が見つかった。この世紀の発見により魔法エネルギーは広く世界に知れ渡り、その年を魔法元年と呼ばれる。1年では最初に習う授業だよ」
急に後ろから声が聞こえたので振り向いたらリドル先輩だった。
『リドル先輩、1年の授業覚えてるんですか…！？』
「覚えてるというか、基礎中の基礎だよ。キミは1人で勉強かい？良かったら此処…」
私の横の席のことだろうか。
『あ、どうぞどうぞ。私は1人で勉強ですよ。ま、大口叩いた割には難しすぎて前途多難なんですけど……でも絶対、赤点回避します！』
「見たところAは魔法史が苦手なんだね。わからないところがあれば、特別に教えてあげるよ」
『本当ですか！？首席のリドル先輩に教えて頂けるなんて頼もしいです！』
正直日本史と世界史と魔法史が滅茶苦茶混在してたから助かる。
「ただし！必ず結果を出すように。」
あれ、なんで今好感度上がったんだ。
「それにしても…基礎中の基礎をわかっていないと魔法史は解けないよ。応用もたくさん出るしね」
『いや本当そうなんですけど、ちょっと元の世界の歴史と混在してしまってですね…』
この前グリムのディスクぶち当たったから記憶が飛んでんのかな。
「ふぅん……ボクは自分の勉強をしているから、わからない時は声をかけるんだよ」
『はい、ありがとうございます』
わかったぞ、これは「個別イベント」という奴だな。
大体スチルが出たりするんだけど、出ようがないよな。
この乙女ゲーム、攻略対象は22名らしいけど私が出会ってんのは…14…？
っと、いけないいけない。勉強に集中しないと。折角首席のリドル先輩に教えてもらえるんだから。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
