八十六話 ページ42
「ふなっ！？それすらも忘れてたんだゾ！？」
こりゃ無理かなと思ってたら、エースとデュースが割り込んできた。
「話は聞かせてもらったぜ」
「その助っ人の件、僕たちが請け負おう」
「なにを言ってるんだい？キミたちはハーツラビュル寮の所属じゃないか。」
「大会のルールに『他の寮のチームに入っちゃいけません』なんて書いてねーもん。」
「ははっ！そんなこと考えたこともなかったけどそう言われれば書いてないな。」
『なるほど。ルールじゃないから大丈夫なのね』
「なにそれ、面白そう！オレもAちゃんのチーム入りたいな〜。」
「ケイトはうちのレギュラーメンバーだろう！」
「先輩たちの試合応援するだけなんてつまんないし。どーせなら試合出たいじゃん。」
「ぼ、僕はこいつと違いますよ！純粋に友人を助けたいだけです。」
エースとデュースが加わっても3人か。私含めたら4人か。
「対戦相手がいねぇなら、俺たちサバナクローが相手になるぜ。」
「ふなっ？オマエらが？」
「教師チームが相手なんて、ママゴト丸出しだろうがよ。」
そこかよ。やるならガチでやりたいってこと？
「なーんだ。お前案外いい奴じゃん！」
「か、勘違いすんじゃねぇ。借りをさっさとチャラにしちまいたいだけだ！」
『褒め言葉は素直に受け取っとけよ！ツンデレかよ！』
の割には尻尾が揺れてる気がする。
「で、いいだろ。先輩方。」
「はぁ〜。ただでさえヘトヘトだっつーのにもう1試合増やそうってか。ジャックくん、鬼ッスねぇ……」
「あ〜。もう面倒くせぇ。まとめてかかってこいよ、草食動物ども。
エキシビジョンっつっても、接待試合はしてやらねぇからな。覚悟しておけ」
「ホッ…良かった。これで一件落着ですね。
Aくんのチームはあと3名選手を集めれば試合ができますよ！」
私入ってる……！？
「あ〜〜！なんでうちの寮はこんなに人がいないんだゾ！全然足んねーじゃねーか！」
『2人だけだからねぇ。あとはゴーストさんが、ひいふうみい…』
「…あっ！そうか！じゃあ、ゴーストを連れてくればいいんだゾ！」
「えぇっ？ゴーストの皆さんを選手に登録するってことですか！？」
「昔強い選手だったって言ってたヤツもいるし、うってつけなんだゾ。
俺様、呼んで来る！きゃっほーい！テレビに出られるんだゾ〜！」
『私も行って来ま…早い早い！』
グリム、こういう時だけ足速っ。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
