五十話 ページ5
放課後は学園長室行かないとな…と頭の片隅に置いておき、選択科目の教室へ移動する。
早めに出たはずなのに何故こんなに人が多い？
人が多すぎてどんどん流されていく。
それどころか私が行く予定の教室通り過ぎた……？？
人がひしめき合っていて、「押すな！」だとか「邪魔だ！」とか聞こえすぎてゲジュタルト崩壊しそう。
『おい、私の教室あっちなんだって…！うわわわ』
いよいよ本気で焦り始めたとき、「あれ、Aちゃん」と能天気そうな声が耳に入り込む。
『ケ、ゲイドせんばいッ…！だ、助けてください……』
押し潰されて割とマジで吐きそう。
「えっ、ちょ、わかったから！ほら、『
つーかこんな鮮明に聞こえるってことは近くにいる……
『うわッ』
関節外れるかと思うほど強く引っ張られた。
やっと人混みから抜け出せた時には、すっかり意気消沈してしまっていた。
「え〜っと、ごめんね。ちょーっと強く引っ張りすぎた？オレ」
『死ぬかと思いました。でも、ありがとうございます』
あのまま流されてたら絶対遅れてたな。
「ううん。女の子は助けなきゃね」
ウインクでも飛ばしてきそうな軽い言葉だ。
『でもケイト先輩、助け求めてから助けてくれたような』
「……う〜〜ん、何のこと？」
あ、はぐらかした。
『……って、そろそろ行かないと。
ありがとうございました、ケイト先輩！今度辛いものでも奢りますよ！』
何か言っていたような気がするが、よく聞こえなかったな。
ーケイト・ダイヤモンドの好感度___
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
