八十三話 ページ39
『…んんっ』
目を開けるとマジフト場。
えーと……あ、そうだ。レオナ先輩が闇堕ちバーサーカー状態になったんだ。
それから何があったっけ？レオナ先輩が気絶して……
なんだろう。
私、レオナ先輩とはそんなに話したことがないのに、レオナ先輩のことを分かった気になってる。
「オイ！起きろ！」
「────あ？」
仰向けに寝ていたレオナ先輩が目を覚ます。
『うわ、何だこの尻尾』
めっちゃ締めてるじゃん。
地味に痛かったので外すと跡が出来ていた。
「やったー！起きた！気絶したままだったらどうしようかと思ったんだゾ！」
「絶妙に話が噛み合ってないね…」
呆れたような表情で見てくるリドル先輩。え、なんか好感度減少の音聞こえるんだけど。
「さあ、早く今までの事件は自分が企てましたと自白しろ！」
「なに……なんだって？」
私は立ち上がったが、レオナ先輩は上半身だけ起こしてる。
「キングスカラーくん。
貴方は負のエネルギーに取り込まれて暴走し、オーバーブロットしてしまったのです。
覚えていませんか？」
「この俺が暴走して……オーバーブロット？嘘だろ……」
「そんなことより、マジカルシフト大会がもう始まっちまう。
オマエが自白してくれねーと、俺様がご褒美に試合に出してもらえねぇんだゾ！」
「あァ…？なんだそりゃ？」
「こいつら、学園長にマジフト大会に出してもらうことを条件に、先輩たちを追ってたんす。」
「えぇ？そ、そんなことのためにッスか？」
『そんなこと、か？世界中が注目する舞台だぞ？』
「オマエらだってそんなことのために怪我人まで出してたじゃねーか」
『オーバーブロット者まで出して！』
「うっ、そ、それは……そうッスけど。」
「今までの連続傷害事件は、君たちがやっていたということで間違いありませんね？」
「……………あぁ、そうだ。」
「わかりました。ではまず、君たちサバナクロー寮は今回の大会を失格とします。
そして今後の処分は、被害者の方達と話し合った上で決めます。いいですね？」
「……わかった。」
「学園長、待ってください。」
「ローズハートくん？それにみなさんは確か……」
「はい。彼らは今回の事件の被害者です。」
『トレイ先輩！もう平気なんですか？』
「安静にしていたからな。心配しなくても、もう大丈夫だよ」
ぽんぽんと頭を叩かれる。子供扱いされてる？
「学園長、俺たち被害者全員からお願いがあります。」
ジャミル先輩、だったな。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
