八十二話 ページ38
【ほんの数年遅れて生まれたというだけで、何故こんな想いをしなくちゃならない？
どれだけ勉強しようが、どれだけ魔法を使えるようになろうが……
生まれてから死ぬまで兄より優秀だと認められることはなく、王にもなれない。
何故、俺は第二王子に生まれた？
何故、俺は永遠に一番になれない？
何故だ。
何故だ。
何故だ。
____人生は、不公平だ。】
オーバーブロットって、なった人が全部悪いんじゃなくて、オーバーブロットした人の境遇が悪かったからなのかな…
それよりレオナ先輩、そもそもな。天地ひっくり返しても覆せないことなんて投げ出せばいいのに。
もっと自分が一番だって認めてくれるところに行けばいいじゃん。
例えばマジフトとか。本気出せば底知れない才能持ってるんだろ。
いろいろ言いたいことはあるけど…声は出せないし、心の中で思った。
此処はどこなのか、何でレオナ先輩の過去を見れたのか。よくわからない。
ただこんな感じのこと、前もしたような。
不思議と身体は覚えているのか、次に来る溢れ出す光に目を瞑っていた。
ゆっくりと目を開けると、逆光で顔が見えないが見たことのあるシルエットが視界に入る。
こっちを見つめてきてる気がするので、私も見てたら、数秒後に鼻で笑われた。
でも、次の瞬間にはふっとどこか遠くを見つめる。たぶん。
【無責任なこと言ってくれる……じゃあ、お前もせいぜい俺に協力しろよ？】
どうやってだよ？
レオナ先輩は何も言わず光の奥へ歩いていく。無視っすか。
ぼんやりとしていく頭。何か聞こえたような気がしたが、聞き取れなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
