八十話 ページ36
「…俺は生まれた時から忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。
どんなに努力しても、絶対に報われることはない。
その苦痛が、絶望が………お前らにわかるかアアアアッ！！」
激しい爆音が轟いた。
威圧感を感じ目を開けると、レオナ先輩は見覚えのある風貌になっていた。
「なんだ、ありゃぁ…！？レオナ先輩の身体から、でけぇ影が！」
「あれは…ブロットの化身！」
『つまり、リドル先輩と同じ…』
「闇堕ちバーサーカー状態になっちまったのか！？」
「くっ……立てる者は自力で待機！エース、デュースは怪我人を連れて外へ。
リリア先輩、先生たちに救援を頼みます！」
「「はい！」」
「あいわかった。しばし持ちこたえよ。」
うわっ、瞬間移動した。
「Aちゃんはオレから離れないでね。動いたら怪我しちゃうよ」
『はい、ケイト先輩』
残った先輩やジャックはレオナ先輩を食い止めるんだよな。
「よくわからねぇが、レオナ先輩をブン殴って正気に戻せばいいんだな？」
『まあそんなとこ』
「オ…オレも、手伝うッス……ゴホッ…あそこまで言われて寝てられるかってんだ…」
「ハイエナ風情が俺に刃向かおうってのか？
ハハハハハ……笑えねぇ冗談だ。全員明日の朝日は拝めないと思え！」
「アイツを捕まえればマジカルシフト大会へ出られる！気合い入れるんだゾ！」
『了解！いこう、みんな！』
皆、こくりと私の顔を見て頷いた。
そしてブロットの化身が消えた時。
レオナ先輩は、力尽きて倒れた。
地面に倒れ込むレオナ先輩を見つめていると、急に身体が動いた。
グイッと磁石で引っ張られるような感覚。
後ろから名前を呼ぶ声が聞こえる。
急に動いたのでバランスを崩しレオナ先輩の前で思いっきり転んでしまう。
倒れた腕に、レオナ先輩の尻尾が巻き付いたのが見えた瞬間、気が遠くなっていった。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
