七十九話 ページ35
「クソが…ッ！ライオンであるこの俺に、首輪だと！？
ジャック！テメェ、変身薬なんてご禁制の魔法薬、どこで手に入れた？」
いきなり狼に変身した、あれか…
「『
「…はっ、魔法で本物の犬ッコロになれるってか？そいつはユニークだ。本当にな…」
はっと嘲笑っている。
「レオナ先輩……俺……俺は！あんたに憧れてこの学園を目指した！
俺の憧れたあんたは、どこに行っちまったんだ！？」
「勝手に俺に夢見てんじゃねぇよ…うぜぇな…」
「ボクも人の事を言えた義理ではないけれど、今のキミは見るに堪えない。
謹慎部屋に入って、少し頭を冷やすといい！」
「……お前らになにがわかる？兄貴みてぇに俺に説教たれてんじゃねぇよ……」
言わなかったらわかるわけないだろ。
「フン。お主のような男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。
サバンナの王者のライオンが聞いて呆れるわ。」
「…あぁッ！？」
「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれぬと嘆いておるようだが……
報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。
たとえマレウスを倒したとて、その腐った心根を捨てぬ限り……
お主は真の王にはなれんだろうよ！」
リリア先輩はそう言い放つ。
固まっていた、怒りで満ちていたレオナ先輩の表情が、段々乾いた笑いになっていく。
「は、はは……アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ……はははは！
俺は絶対に王になれない…どれだけ努力しようがなァ…！」
「なんだ！？全身の毛がゾワゾワするんだゾ！」
「急速にレオナの魔力が高まって……くっ、魔法封じが、持続できないっ…！！」
「ちがう。これは魔力ではない。この邪悪な負のエネルギー……まさか！」
「みんな、伏せろ！」
ケイト先輩の言葉に全員一斉に伏せる。
レオナ先輩にかかっていた首輪が、あえなく吹き飛ばされた。
レオナ先輩の負のエネルギーが溜まって、リドル先輩の魔法封じが耐えられなくなった……？
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
