七十七話 ページ33
「どれだけ世界が注目していようが、所詮は学生のお遊びなんだよ。
お前らが目ェキラキラさせて夢語ってんのがおかしくて、少し付き合ってやっただけだろ」
「なんで……オレたちで、世界をひっくり返すんじゃなかったんッスか！？」
本当に無責任すぎる……無理だってわかったらすぐに身を引くなんて……
声に出そうと思ったが、なんとなく口をつぐんだ。
今部外者が口を挟むのは違う気がする。
「キャンキャンうるせぇな………じゃあ本当のことを教えてやるよ。
お前はゴミ溜め育ちのハイエナで、俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子！
何をしようが、それが覆ることは絶対にねぇ！」
「ふ……ふざけんなよ！なんだよそれ！ここまできて諦めるなんて……」
せき切ったように寮生たちの野次が飛ぶ。
「…あぁ、うるせぇ……黙れよ雑魚ども！」
突然辺りが砂埃…砂嵐で包まれる。
さっきまで近くにいたグリムたちも、先輩たちもぼんやりとしか見えなくなる。
『ゲホッ、ゲホッ！』
どこにいるか聞こうと口を開いたら、砂埃が喉を襲いむせ返った。
「…これが俺のユニーク魔法『
皮肉なもんだよなァ？干ばつを嫌うサバンナの王子が持って生まれた魔法が……全てを干上がらせ、砂に変えちまうものだなんて！」
「レオナ……さ……苦し…ッ！」
無理矢理目を開けて声のする方を見ると、レオナ先輩がラギー先輩の腕を掴んでいる。
苦しそうに歪んだ顔。よく見ると腕がひび割れ始めていた。
『！ラ、ラギー先輩が……ゴホッ、ゲホッ！』
「A、危ないからキミは下がっていたほうがいい」
助けないと、と一歩踏み出したがリドル先輩の杖に止められた。
「レオナ！それ以上は止めるんだ！
『
よっしゃ、これで封じられる……
と思ったのも束の間、リドル先輩の首輪はキィン！と弾かれる。
「ふなっ！？リドルの魔法封じの首輪が…！」
「秀才だかなんだか知らねぇが、年上をナメるなよ。あいにく俺は防衛魔法の成績がいいんだ。」
『ダブったからだろ』
ボソッと呟けば「あ？」とガン飛ばしてきた。いけないいけない。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
