七十五話 ページ31
マジフト場
「はー、はー…………レオナさん、やりましたよ！中継見てました？」
「ああ。上出来だ、ラギー。あばよマレウス、今年の王の座は俺が貰う。」
「シシシッ！王様、バンザイ！」
「「「王様バンザーイ！」」」
「_話は聞かせてもらったよ。」
浮かれて騒いでいるサバナクロー寮生たちに、リドル先輩が割って入る。
一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに余裕の表情に戻った。
「これはこれは、ハーツラビュルのみなさんがお揃いで。それにそこにいるのはウチの1年坊じゃないか。ハーツラビュルに転寮したのか？」
「俺はただ、今のあんたたちと肩を並べたくねぇだけだ。」
い、言い切った…！
レオナ先輩はチッと舌打ちをする。
「この裏切りもんが！」
「伝統ある試合を汚す行為。
厳格をモットーとするハーツラビュル寮の寮長として、見逃すわけにはいかない。」
「あのなぁ、お坊ちゃんがた。正義のヒーローごっこはよそでやってくれないか？」
「わざわざ敵のまっただ中に少人数で乗り込んでくるなんて、酔っちゃってるッスねぇ〜！」
「レオナさん、やっちまいますか？」
「フン。軽く遊んでやれ。」
「『
大勢のサバナクロー寮生が飛びかかってきたが、リドル先輩のユニーク魔法であっという間に勝敗が決まった。
一応だとエースとデュースが背中に隠してくれたが、それも必要なかったようだ。
「ぐっ……つ、強ぇえ…」
「寮長クラス、ハンパねぇ……」
「ふん、口ほどにもない。エース、デュース。まだやれるね？」
「全然、余裕っす。」
「もちろんです、寮長！」
「チッ……やっぱりコイツらじゃリドルの相手は無理か。」
「シシシッ！でも、こんなことしたってどうせディアソムニアのヤツらはもう手遅れッス！」
「ほほう？それは興味深い話じゃ。」
『うおおっと』
いきなり、というかいつのまにやら後ろに来ていた。
名前はリリア先輩だっけな。
「誰が手遅れだと？」
「このとおり、俺たちディアソムニア寮の選手には怪我1つない。そいつらのお陰でな。」
初対面の攻略対象だ。
「えっ！？あれっ！？お前らはさっき、群衆に飲み込まれたはず……」
「ざーんねん！
あれはオレのユニーク魔法『
中継はちょっとだけしか見れてなかったけど、あの黒と黄緑の寮服、群衆にいたっけ。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
