六十九話 ページ25
結局率先して殴り合ったのはデュースである。
絶対元ヤン時代に戻ってた気がするけど、本人は気づいてないみたいなので黙っておこう。
エースは常に熱意がないから乗り気じゃねぇし、グリムはそもそも体格差がね。
つーかジャック巨体…190cm超えてんのによくデュース互角に戦えてんな。
「はぁ、はぁ……よし。これでケジメは付けた。俺の知ってることを教えてやる。」
ジャック、怪我だらけっすけど…
「ラギー先輩のユニーク魔法は、『相手に自分と同じ動きをさせる魔法』だ。」
「アイツが手を出したら俺様の手も勝手に動いたのは、そういうことだったんだゾ！？」
『身体を操る、じゃなくて同じ動きをさせる…？じゃあ、ラギー先輩も怪我しない？』
階段から飛び降りたり、ラギー先輩もしたのなら無事では済まないんじゃ…
「というか、そんなことしたら絶対目立つでしょ」
「恐らく、サバナクローはほとんどがグルだ。きっと寮生たちがラギー先輩を上手いこと隠したんだろうな。」
ふむふむ、なるほど。
「…俺は、どんなに強い相手だろうが、自分自身の力で挑んで勝ちたかったんだ。
今回の大会だって、俺は自分がどこまでやれるのか挑戦するつもりで自分を鍛えてきた。
卑怯な小細工なんて反吐が出る！そんな勝利になんの意味がある？
俺は、自分自身の力で勝ち上がってテッペン獲ってやりたかったんだ！」
「あ、こいつすげー面倒くさい奴だ。」
『エースとは正反対だもんな』
睨まれました。
「わかる！俺はわかるぞ！！その気持ち！！」
なんか感化されてるな、デュース。
「こっちにも面倒くさいヤツがいたんだゾ……」
グリムにまで呆れられるとは…
いや、でもそういう奴嫌いじゃないぜ。
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
