六十七話 ページ23
中庭
息を切らしている私たちをラギー…先輩はひとつも息を切らさず嘲笑う。
「シシシッ！3人がかりでそんなもんッスかぁ？大したことないッスねぇ。」
「ぜー、はー、な、なんなのアイツ！？めちゃくちゃすばしっこい！」
とばっちりエースデュースも、なんだかんだ全力で追いかけてくれている。
そういうところ好きだぞ。
「はぁ、ただ足が速いと言うより、はぁ、高低差を飛び越える能力が尋常じゃないな。」
「ふなあぁぁ…」
「こんなんスラムの裏道に比べたら余裕ッスよ。
つかさぁ、もしここでオレを捕まえたってアンタらオレが犯人って言い切れなくないッスか？」
「なんだと？」
「だって、オレが怪我させたって証拠、ないッスよね。誰かオレが魔法使ってるとこ見たんスか？そんで、それ写真に撮ったりしたんスか？してないッスよねぇ？」
せ、正論ブレード。
「うぐっ……そ、それは…」
『くそう、潔く認めやがれ！卑怯者！』
「卑怯者？褒め言葉ッスね。
シシシッ！次にオレを追い回すときには証拠揃えてから来てくださいッス。
ま、君らじゃ次も無理だろうけど。
あ、マジカルペンはここに置いとくッスよ。ばいばーい！」
「く、悔しいんだゾ〜！」
「くっそ〜！腹立つ〜！」
「ローズハート寮長に首をはねられる…」
「…てめーら、まだ懲りずに犯人探しやってんのか。」
木の影からえっと…ジャックが出てきた。
「んだよ、見てたんなら手伝えよな。おたくんとこの先輩、超悪いヤツなんですけど？」
「お前ら、なんでそんなに他人のために必死になれる？」
『え？』
「他人のため？」
「怪我したダチの仇討とうって気持ちはわからなくもねぇが……」
いや、この学園にそんな友達思いのやつなんていないだろ。
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割とマジで忘れててごめんジャック
ジャック・ハウル
★★★☆☆
作中一と言ってもいいくらいのツンデレ。
でも感情は耳と尻尾でわかる。隠しきれてないよジャック。
BADENDになりやすいわけではないが、狼は決めた相手と一生を添い遂げるので……
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
