同級生8 ページ10
▽
「だぁっから違うっつってんだろ!そこはまた別だって」
「え、えっと…x=…あれ?」
「んでxが出てくんだよ…sinだって」
「あっあっ、1/2のやつですな?!」
「残念。−1/√2の方だ」
「√……はあ」
「初めて聞いたような顔すんなよ…」
朝の7時55分
急いで水やりを終えてきた!と言わんばかりの勢いで俺の教室に入ってきたこいつは、現在朝の7時58分で既に戦意喪失の状態にまで追い込まれてしまっていた
三角不等式のとこは躓く奴らも多いし、あまり小言は言っていられないが、これは高校1年生で習ったものだ
今までもその応用問題が大量に出されていたはずなんだが…こいつはそれら全てをスルーしてきた可能性が高い
なんとも先が思いやられる…
「新隆くん、ここはどうなるの?」
「ああ、そこはさっきと同じようにこの式を」
そんな風に事細かに教えている内に、閉められていた教室のドアがガラリと空いた
ビクリと肩が跳ね、俺の視線は音の発信源である場所に誘導される
「…あれ、Aじゃん。何してん?」
「あ、えっと、勉強です!!」
「ふはっ、Aが勉強とか似合わねー」
「失礼だなぁ」
「つかお前、霊幻と仲良かったの?」
しまった、失念していた
放課後なら大して人目にはつかないし、2人で残って勉強をしていたって見つかりさえしなければ茶化されることもない
だが、朝は別だ
放課後は部活に行くか帰るかでさっさといなくなる奴ばかりだが、朝は登校してくる奴らに必ず目に付くであろう、それはもう確実に
本当に迂闊だった、調子に乗っていた、俺なんかと一緒にいたら、こいつは
「Aと霊幻とか、似合わな過ぎんだけど」
ほらな…思った通りだ
自然と、握られた拳に力が入る
「え、そうかな」
でもそれだけじゃなく、俺にはもう1つ、失念していたものがあった
「結構仲良しだよ」
こいつは、生粋の馬鹿だってことだ
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かっち(プロフ) - めっっっっっっっちゃくちゃ面白いです…。なんでしょう、この嫌悪感がなさすぎる夢主ちゃん。最高ですね。霊幻師匠もかっこいいし、最高すぎるし、めちゃくちゃ大好きです。更新待ってます! (2022年11月11日 23時) (レス) @page11 id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:坂丸 | 作成日時:2019年2月14日 20時