同級生9 ページ11
▽
「…へー」
目を細め、何か言いたげにこちらを見る男
生憎、関係の無い奴の名前なんて覚えてもいないし、関係を築かないような奴の名前だって覚える気はない
例えそれが、同じクラスの同級生だとしても
「そうなんだ?霊幻」
心臓がバクバクと鳴り、頭に警報が響く
どうしたらいい。これは、どう答えるのが最善なんだ
仲が良いと先走って言ってしまったAに乗っかり、自分もそうだと肯定すべきか
それともAのこれからを考えて、そうでもないと自分から否定するべきか
どうしたら、こいつの為になるんだ
「っあ…え、っと…」
「んだよ、霊幻困ってんじゃん。やめてやれよA」
「やめてやれよ」という言葉は、どうにも、俺の胸に重く残った
どうしようもない、意気地無しだ
俺は結局、どんな最善策を見つけようとしても、見つけようとしているだけで何も見つけられない
見つけようとして、それが運良く見つけられたとしても、結果それが出来ない
俺は、罪悪感の赴くままにAの顔を盗み見た
「あれ…うーん。私の片想いだったかな?」
心臓が、あんなに騒がしくしていた胸の音が、一瞬で止まった気がした
彼女がこんな顔をするのは、きっと初めてではないのだろう
だが、彼女が俺の前でこんな顔をしたのは、これが初めてだったのだ
「いや」
勢いで、言葉が出る
「俺も、仲は…良いと、思ってる」
途切れ途切れ
俺の口調はあまりによそよそしく、俺の声はあまりに小さい
だとしても、俺のその小さな声が2人に聞こえるには、十分な静けさだった
少しの沈黙
「良かったなA。お前の片想いじゃないみたいじゃん?」
それを破ったそいつはそう言って、俺が朝いつも見ている通り、鞄を机の上に投げ出して教室から出て行った
時計の針は、ちょうど8時を指していた
続く (更新停止中)
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かっち(プロフ) - めっっっっっっっちゃくちゃ面白いです…。なんでしょう、この嫌悪感がなさすぎる夢主ちゃん。最高ですね。霊幻師匠もかっこいいし、最高すぎるし、めちゃくちゃ大好きです。更新待ってます！ (2022年11月11日 23時) (
レス) @page11 id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：坂丸 | 作成日時：2019年2月14日 20時
