好きなんだって。 (ページ3)

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3話ページ3

田村「またまたー、そういうこと言っちゃって(笑)」

A「だって、好きになってもらうの嬉しいじゃない？」

田村「俺が片思いするだけなのは辛いからパース」

田村くんは前を向いて歩き出した。

だから私も彼の後に着いて行ったんだ。

田村「Aちゃん、俺のこと好きになってよ～」

A「それはどうかな！(笑)」

田村「俺がAちゃんのこと好きになったら、好きになってくれるの？」

A「んー、わかんない！」

田村「ダメじゃん！w」

こうして私たちは、何の発展もないまま家に着いたのであった。

辻本『今日はありがとな！』

辻本くんからLINEが入ったのを、田村くんは見逃さなかった。

私のスマホを覗き込むようにしながら

「あれ？今の辻本？」

って聞いてきた。

辻本くんは同じクラスの男子。

田村くんは隣のクラスだ。

A「うん！」

田村「じゃあ俺もAちゃんに送ろ～っと」

A「隣にいるんだから打たなくてもいいじゃん！(笑)」

田村「うん、そうだよ？今は、俺だけがAちゃんの隣にいるの」

嬉しそうな顔で、ニヤニヤしていた。

私は昔から男の人を落として遊ぶくせがある。

遊ぼうとしているわけじゃなくて、遊んじゃうんだ。

自分が好きじゃない相手を、好きにさせてしまう。

この癖のせいで苦労することはたくさんあったし、私だってやめられるならやめたい。

田村「聞いてんのー？」

私のほっぺをつねる彼。

聞いてる！って言いながら、彼の手を払った。

A「田村くん、わざわざ送ってくれてありがとね。また明日、学校で会えるといいね！」

田村「なに、会ってくれんの？(笑)」

A「会うくらいいいよ全然！」

田村「嬉しい……。明日楽しみにしてるわ！じゃあね！」

A「うん、ばいばい」

田村くんと別れたあと、私は辻本くんにLINEを返した。

『こちらこそありがとう。学校でも仲良くしようね！また明日♪』

って。

なんで今まで学校で話してこなかったんだろう。

すごくいい人なのになあ…！