検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:67,326 hit

ページ8

「よーい…スタート!」




男子の方が距離は長いが、女子は時間のかかる人が多いため、先にスタートした。



…よし、最初はこのくらいのペースでいこう。


あんまり飛ばしすぎると最後バテて走れなくなるからね。

































しばらく走り、だんだんキツくなってきた。




「はぁ…っ、はぁ…」



身体は熱いけど、空気は冷たい。

喉と足が痛い。




大分 前に、男子の集団は私を追い抜いて行ったが、その中に蛍はいなかった。




だんだんと足取りは重くなる。




「…っあ!」




足をきちんと上げていなかったせいで、こけてしまった。



「いったぁ…」



膝に血がにじむ。

ついでに足首も若干捻ったみたいだ。



なんとか立ち上がり、ひょこひょこと歩く。



もう走るなんて無理…。痛い…。



「…う、早く、終われ…っ」



知らず知らずのうちに目に涙がたまる。

走っていないせいで、だんだんと身体も冷え始めている。



「さっむ…」



風が私を容赦なく襲う。



鳥肌が止まらない。寒い……。

















「A」


「蛍…」




全く息の上がっていない蛍が、後ろから声をかけてきた。




「なに、こけたの?」


「…うん」


「ホント、Aには鈍臭さだけは敵わないよ」


「うるさい」


「あと 足首 捻ってるでしょ」


しゃがんで足首を触る 蛍。


「…いたい」


やっぱりね、と呆れ顔。


「なんで、分かるの」


蛍はしばらく考えて、答えた。






「…運動部だから」






ほら、とジャージを渡される。



「蛍が冷える。試合あるんでしょ」


「いいから、今はAが着て」



半ば無理やり着せられた蛍のジャージ。



「…やっぱり大きい」



ダボダボで、ズボンまで隠れそうなくらいだ。



「…でも、あったかい」



今まで蛍が着てたから?

いや、多分それだけじゃない。





優しい暖かさを感じる。






「…どうせ歩けないでしょ、おぶってあげる」

「は…?い、いや、それはちょっと…」

「じゃあ歩けるの?」




「…無理」




突然しゃがんだと思ったら何を言い出すんだ。

でも、ここから長い道のりを歩いて行くのはちょっときつい。




「…なんか、蛍 彼氏みたい」




少し からかってみた。
























「別に、なってあげてもいいよ」







お互いの耳が赤いのは、



きっと冷たい風のせい ____ 。




・→←持久走大会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 月島蛍 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

じゃこたま(プロフ) - うぅ…0時ぴったりにあげようと思ってたのに…うぅ…(;_;) (2019年9月27日 23時) (レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
じゃこたま(プロフ) - まこさん» わああありがとうございます!自分の好きなように書いてて、こういうお言葉を頂けるのはとても嬉しいです…!! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく可愛いお話ばかりでキュンキュンさせていただきました。素敵な作品に出会いました。ありがとうございます! (2019年9月17日 13時) (レス) id: 8ab948ac9c (このIDを非表示/違反報告)
じゃこたま(プロフ) - めぐみるくさん» ありがとうございます!更新怠らないように頑張ります! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - うわぁああああああありがとうございます!!!!神ですもう流石すぎます!!!!これからも応援してます!!!!!頑張ってください!!!!!! (2019年8月29日 22時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:じゃこたま | 作成日時:2019年2月7日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。