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「…A…？」
ゆっくり走っていると、案の定いた。
「びっこ引いてる…」
足を引きずるように進んでいるAの姿が目にとまった。
「A」
「蛍…」
思わず声をかけた。
息が上がってないように見えるかもしれないけど
走ってきたのを気付かれないようにしてるだけ。
「なに、こけたの？」
「…うん」
「ホント、Aには鈍臭さだけは敵わないよ」
「うるさい」
こんな言葉でしかコミュニケーションが取れないなんて、自分で自分が情けない。
「あと 足首 捻ってるでしょ」
さっきの歩き方が、いつもと違ったから。
「…いたい」
やっぱりね。
「なんで、分かるの」
そんなの、簡単じゃん。
＿＿＿＿ いつも見てるから
「…運動部だから」
思いとは裏腹な言葉が出る。
こんな時、Aの素直さが羨ましくなる。
それにしても、いつも見てるから、なんて
気持ち悪すぎるでしょ…。
ほら、とジャージを渡す。
大分、身体が冷えてそうだし。
「蛍が冷える。試合あるんでしょ」
「いいから、今はAが着て」
半ば無理やり着せた。
試合があるなんて嘘。
寒かったから、というのは本当だけど、
…もしAが寒がってたら、着せたかった ___
っていうのも理由の一つ。
「…やっぱり大きい」
ダボダボで、ズボンまで隠れそう。
ジャージだけしか着てないみたいで、目のやり場に困る。
「…でも、あったかい」
ふにゃあ、と笑う彼女。
よかったね、と小声で返したが、多分聞こえていない。
「…どうせ歩けないでしょ、おぶってあげる」
あんなかわいい顔を見ながら
歩けるわけがないから。
ついでに優しいアピールもできるし、ほら。
「は…？い、いや、それはちょっと…」
「じゃあ歩けるの？」
「…無理」
渋々だが、僕の背中に乗ってくれた。
ジャージを着ていても身体が冷たくなっているのが分かった。
首に回された手はほぼジャージで見えない。
「…なんか、蛍 彼氏みたい」
きっと彼女なりの、いつもの仕返し。
おんぶのせいで、声が耳元で聞こえる。
少し、調子に乗っていい…？
・
「別に、なってあげてもいいよ」
・
え、と言葉につまるA。
多分 僕の耳は赤くなっている。
まぁ、どうせAもだろうし、お互いサマだよね。
＿＿＿＿ 続きは、保健室で。
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じゃこたま(プロフ) - うぅ…0時ぴったりにあげようと思ってたのに…うぅ…(；_；) (2019年9月27日 23時) (
レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
じゃこたま(プロフ) - まこさん» わああありがとうございます！自分の好きなように書いてて、こういうお言葉を頂けるのはとても嬉しいです…！！ (2019年9月23日 20時) (レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - すごく可愛いお話ばかりでキュンキュンさせていただきました。素敵な作品に出会いました。ありがとうございます！ (2019年9月17日 13時) (レス) id: 8ab948ac9c (このIDを非表示/違反報告)
じゃこたま(プロフ) - めぐみるくさん» ありがとうございます！更新怠らないように頑張ります！ (2019年8月30日 0時) (レス) id: 4772484cf8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - うわぁああああああありがとうございます！！！！神ですもう流石すぎます！！！！これからも応援してます！！！！！頑張ってください！！！！！！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃこたま | 作成日時：2019年2月7日 5時
