こっち向いて、月島くん。【短編集】

なまえ ページ21

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◎夢主◎
烏野高校1年 / 男バレMG

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_ 月島 side _









うちのマネージャーは、誰でも下の名前で呼ぶ。






「翔陽 ナイッサー！」


「飛雄くん、あのさ ＿＿＿ 」


「はい、これ忠のタオルね〜」






先輩にだって


「大地先輩」とか「龍先輩」とか。





なのに僕だけ








「ねぇツッキー」




「…それやめてって言ってるでしょ」









苗字でも名前でもない。





…なんか負けた気分。









「 ＿＿＿＿ ってツッキー、聞いてる？」




「必要のない情報は耳が聞こうとしないから」




「なんだそれ、ひっど」









頬を膨らませ、くるっと後ろを向いて


歩いていってしまった。









「どうかしたの？ツッキー」




「…全部 山口のせいだから」




「え？！お、俺なんかした？！」









山口が僕のことを「ツッキー」と呼んでいるのを


彼女に目撃されてから、僕の呼び名が


「ツッキー」になった。









＿＿＿＿『忠、ツッキーって呼んでるの？


私もそれで呼んでいい？』









山口が「うん！」と返事をしたのは未だに許していない。









今まで女子に話しかけられるのは


面倒だと思ってたけど









今は呼び名まで気にしている。









「馬鹿馬鹿しい……」









そう呟いても、聞こえてくる彼女の声を




知らず知らずのうちに追い掛けている自分がいた。




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