ぶりっ子 ９３ ページ6
＊
『おおお何これ！！！全然切れねえんだけど！！！』
｢当たり前でしょ、あたしの糸束はね柔らかいけど硬いのよ｣
『矛盾してない？？？(困惑)』
彼女の手から出る糸束が私たちを繭玉にするべく縦横無尽に襲いかかる。しかも、強度あるのにしなるから全然切れない。なんで！！！(泣)
無我夢中で刀を振りながら後ろの男隊士を確認するが、ガタガタと震えているだけでその刀を鞘から抜こうともしない。
えっ、私一人で戦えと？？？
｢チッ、ちょこまかと無駄にすばしっこいクソ女が……。いいわ、先にそこのあんたからあたしの食事にしてあげる！！｣
私から男隊士に狙いを変えた鬼が両手を広げると、その手から先程までとは比にならない量の糸束が出てきた。それこそ、刀で受け止めたら折れるのではないかってくらいの勢いで。
あんなの食らったら一撃でゲームオーバーじゃん。絶対食らいたくない！！！
そう思いながらも、体は言うことを聞いてくれず、男隊士とその糸束の間に入ってしまう。
案の定、勢いに耐えられず男隊士のところまで吹き飛ばされてしまった。
｢な、…………なんで、｣
『いや私も分かんないよッ！！というかなんでとかいう前に戦えよ！！私のこと嫌いかもしんないけどさあ、生き残るためなら嫌いな奴とだって協力くらいしたらどうなの！！？』
おかげでめっちゃ背中いてーーよッ！！！この前治ったばっかりなのにまたヒビ入ったらどうしてくれんだ！！
文句はどんどん出てくるが、再び糸束がこっちに向かってきているのを見て刀を握……ってア"ーーーッ！！！刀！！後ろに吹き飛ばされてる！！！
絶対間に合わないじゃん詰んだ……と絶望していると、私を支えていた男隊士が立ち上がり、その糸束を右へ避けた。
瞬間、私の視界がぐるりと回る。
…………あれ、おんぶされてる？？なんで？(混乱)
混乱していると、私を背負った彼がちゃんと私の刀を拾って駆け出す。
対して、後ろの鬼はどんどん小さくなっていく。
……逃げも生存戦略のひとつってか？？？
｢手負いの俺たちじゃこの鬼には絶対勝てないから……ッ、一旦逃げよう！！それとさっき庇われた貸しはこれで無かったことにしろよなッ！！｣
『お前後半のそれが一番の目的だろ？？？』
やっぱダメだこいつ。私と同じ弱虫だわ。
＿＿＿
＿
｢ふふ、……馬鹿なヤツら。そっちには累がいるのに｣
＿＿＿せいぜい苦しんで、恐怖の中で死ぬといいわ。
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くまもん - 最高です。ドタイプな作品です。更新お願いします！ (2月29日 15時) (
レス) @page27 id: 888b8ee33d (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新待ってますね！ゆっくりでいいので！ (1月7日 18時) (レス) @page27 id: 4e402dc10b (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 続きが気になります！更新待ってます！！ (7月21日 22時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
るる - 天才過ぎませんか????更新待ってます!!!!! (7月15日 23時) (レス) @page27 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
阿部葵(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます！ (7月12日 10時) (レス) @page27 id: c05e48fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々 | 作成日時：2020年11月15日 22時
