ぶりっ子、前世を思い出す ２ 【鬼滅の刃】

ぶりっ子 番外編 ６ ページ18

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しのぶさんが顔をしかめるのを見て、我に返って口元に手を当てる。

……違う、こんなことが言いたいんじゃない。

関わりもしませんよ、といった彼女に少なからず怒りを感じたのは事実だ。まるで、私がしのぶさんを嫌ってるみたいじゃないかって。

でも、こんな風に刺々しく言うつもりじゃなかった。まるで、すねてるみたいな言い方。

黙りこくった私を一瞥したしのぶさんは、立ち上がってこちらに向かって歩きながら静かに口を開く。



｢……私の言い方が気に障ったのなら申し訳ありませんが、先ほど言ったことは守ってもらわないと困ります。これ以上他人に迷惑をかけるのは辞めてください｣

｢……正直、あなたを妹に持ったことが恥ずかしいです｣



パタン、と襖の閉まる音がした。

すれ違った瞬間に言われた一言は、私に強いショックを与えた。しのぶさんと私の仲は険悪。しのぶさんが私の事を嫌いなのは、聞かなくてもわかっていた。


……でも、そんな風に言われるまで嫌われていたんだな。


今までの事を振り返ると、確かに色んな人に迷惑をかけたし、少なからず嫌がらせもした。

……甘露寺蜜璃、だっけ。炎柱の継子の。
あの子は全然こたえてないようだったけど。むしろ私に近づいてきたし。

それに、私周りばっかり妬んで自分のことをどうにかしようとしなかった。自分が悪いのに、周りにばっかり当たって愛されたいって喚いて。

……子供となんら、変わりない。


『…………こんなんじゃ、嫌われて当然か』


きっと、私はしのぶさんの足しか引っ張ってない。

蝶屋敷に、私の居場所なんて無いな。これ以上しのぶさんに迷惑かけたくないし。

もう愛されなくたっていいから、目立たずに生きていこう。しのぶさんにも誰にも言わないで黙って出ていこう。

お金なら貯金してたから少しだけある。
最悪、藤の紋の家に頼るしかない。









その晩、私は荷物をまとめて蝶屋敷を出る事を決意した。

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