ぶりっ子 番外編 5 ページ17
*
「……来ましたか」
しのぶさんの部屋の戸を開けると、机に向かっている彼女が振り返らずにそう言った。
……今回は、なんだろう。
『話って、なに』と問うと、ふうとため息をついてからこちらを振り返った。
「……自分で分かってるんじゃないですか?私がこの部屋にいた一週間……。いや、それより前。カナヲが来てからでしょうか」
「この屋敷の者や隠、鬼殺隊員の人達。
……それに、柱の方々まで。あなたに関する苦情が後を絶ちません。」
「これ以上恥ずかしいことをしないでもらえますか」
頭に手をやり、呆れたようにそういうしのぶさん。
時折ため息をつく彼女は、どう見たって私の事が嫌いだろう。
その証拠に、彼女のカナエ姉さんと私を見る目は明らかに違う。
……まあとりあえず、形だけでも『すみません』と謝っておく。
それと、さっきから違和感がすごい。
いつもはムスッとした顔で怒られていたけど今日は笑顔だからかな。
別に怖いとは思わないけれど、どこか嫌だ。
「次からは気をつけてくださいね……と言いたいところですが、何度言ってもあなたは繰り返してしまうようなので。そうですね……」
「次に苦情が来た時は、その蝶の髪飾りを没収しましょうか」
『なっ……これだけはやめてッ!!!』
反射的に頭に着いた赤色の蝶の髪飾りに手が行く。
これは、カナエ姉さんが私に買ってきてくれたものだ。私にとって、カナエ姉さんを思い出せる心の拠り所のようなものだ。
急に声を荒らげたからか、目の前の彼女が目をぱちくりさせる。しかし、すぐにあの笑顔に戻り、
「ふざけてなんていませんよ。皆がびっくりしてしまうので、少し声を下げてください」と言う。
「別に、あなたが問題になる行動をとらなければいい話です。そうしたら私はその髪飾りを取ることもしませんし、
『……なんなんですか、あなたのその言い方』
「え?」
『まるで私があなたを嫌っているみたいな言い方をするんですね。私を嫌っているのはあなたなのに』
「…………いきなり、どうしたんですか?」
3676人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々(プロフ) - ろくろさん» コメントありがとうございます!!一時期放置気味になってしまって申し訳ないです…。更新亀ですが、暖かく見守っていただけると嬉しいです!! (2020年11月1日 17時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
ろくろ - 久々に見に来たら、沢山お話が追加されててすごく嬉しかったです!!!これからも楽しみにしてます!!! (2020年11月1日 17時) (レス) id: 9582694087 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - るりさん» はい!!楽しみにしてます!!! (2020年10月19日 21時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
るり - 菜々さん» ありがとうございました! 出来次第こちらから連絡させていただきます (2020年10月19日 20時) (レス) id: 9e4d04db34 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - るりさん» 羽織は、桜の模様と決めています!全体的にピンク色の桜の花が広がっている感じです……! (2020年10月19日 18時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菜々 | 作成日時:2020年2月16日 0時