気まぐれの時間�� ページ43
理事長の車で病院まで行き、俺は検査を受けた。
服の上から触診され、次にレントゲン。
結果······
「折れていますね。ほら、ここを見ればわかりますよ」
医者がレントゲンの写真で折れてる箇所を指差す。
ヒビだったら良かったのに······
「一体、なにをしたんですか？ 見た所、顔も怪我していますが」
『えっと、不良たちに絡まれて、その······ケンカをしまして······』
暴力教師にやられた、なんて言えるはずもなく······
「固定するほどではないので、消炎鎮痛剤で様子を見ましょうか。湿布を渡しますね」
『ありがとうございました』
俺と理事長は湿布を受け取り、車に乗る。
「Aくん、このあと私の家にきなさい」
『今日は優希と──』
「優希くんなら迎えを寄越したから、私の家にいる。今頃、浅野くんが勉強を見ているだろう」
いつの間に······
「3日ほど、優希くんと家で2人きりなんだろう。なら、その間はうちにいなさい」
なんでうちの予定を知っている······？
俺は少し引きつつ、お礼を言う。
『······なにからなにまで、すみません』
「構わないよ。私も優希くんが大切だからね。君と同じくらい」
『······！！』
よくもまぁそんなことを言えるな。
優希のことを"大切"だなんて、思ってもないくせに。
浅野も······いや、あいつは違うか。
あいつは優希には優しい。
優希も浅野と、なぜか理事長に懐いている。
俺にとったらかなり不本意なことだけど······
「それよりもAくん。君はどうする？」
『なにがですか？』
「明日からE組に通うのはやめるかい？ 今後、ああいう輩がこないとは限らない。また今日みたいに傷つくかもしれない」
『······』
「A組への転級はすぐにできる。あそこなら、今日のような危険なことはない。賭けはもちろん続行のままだ」
たしかにそうだ。
E組はそういう危険がありうる場所。
そのうち、生徒を人質に取る暗殺者が来るかもしれない。
俺はまた、忌々しい過去を思い出すかもしれない。
俺は少しだけ迷った。
頭の中は優希のこと。
そして、自分の過去のこと。
今日のこと。
俺は······
『············通いますよ。また明日から』
俺ははっきりとそう言った。
「······君は、本当に頑固だ。大人しく、私の庇護を受ければいいものを」
『俺はあなたが嫌いですから』
それに、俺は逃げたくない。
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羽衣瑠璃 - 空織さん» 空折さん、コメントありがとうございます。今日は更新する予定なので、楽しみにしていてください。 (2022年12月10日 16時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
空織 - 焦らずに更新してください。つづきまってます (2022年12月10日 10時) (レス) @page43 id: d73f191881 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃 - 空折さん» 空折さん、コメントありがとうございます。これからも楽しんでもらえるよう、頑張って更新していきます。 (2022年12月6日 17時) (レス) @page2 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
空折 - 面白かったです！続き待ってます！ (2022年12月6日 17時) (レス) @page32 id: 923c669e71 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃 - 綾崎さん» 綾崎さん、コメントありがとうございます。誤字報告助かります。ありがとうございます！ (2022年12月5日 22時) (レス) @page32 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2022年11月23日 20時
