親愛の時間�� ページ31
「家族皆で、地球の危機を救おうぜ！！ なっ？」
鷹岡は神崎の頭に手を置いた。
「な？ お前は父ちゃんについてきてくれるよな？」
神崎は震えながら······
「······は、はい。あの······私は、嫌です。烏間先生の授業を希望します」
俺は神崎と鷹岡の間に入り次の瞬間、横に思い切り吹っ飛んだ。
そして、そのまま無様な地面にいきおいよく転がる。
カッコ悪······
俺、マジでさっきからなにしてんだろ。
こんなことしても、なんの得にもなんねぇのに······
頭がグラグラする中、そんなことを考える俺。
神崎は慌てて俺に駆け寄った
「Aさん！？ 大丈夫！？」
『あ、あはは······大丈夫だよ、神崎』
こいつ、女相手にも容赦なかった。
1歩間違えたら首を痛めるぞ。
「お前らはまだわかってないようだな。『はい』以外はないんだよ。文句があるなら拳と拳で語り合おうか？ そっちの方が、父ちゃんは得意だぞ！！」
狂気を孕んだ目。
寒気のする笑顔。
余裕のある、楽しそうな顔。
それを見ると、脳が忌まわしい記憶を呼び起こそうとする。
逃げたい。
このまま逃げて、安全な場所で1人になりたい。
でも、こいつはきっと逃がさない。
それにまた、誰かが傷つくのか······？
『おい、やめろよ』
無意識に出た言葉。
俺はゆっくりと体を起こす。
そして、鷹岡を睨んで言った。
『こいつらに手を出すな、暴力教師。つーかこのご時世、教師が体罰なんてしたら警察沙汰だぞ』
「······お前、さっきから父ちゃんの邪魔ばかりするなぁ。文句あるのか？」
『はぁ？ 文句しかねーよ。しかも父親？ 寝言は寝て言え！！ 俺の父親を侮辱にしてんのか！？』
鷹岡の顔が怒りに染まっていく。
俺はそんな鷹岡が怖いくせに、ペラペラと暴言を吐く。
恐怖で手が震えても、気づかないフリをした。
前にイトナに言った。
"死なないなら、痛みなんて怖くない"、と。
だから、俺はこいつの暴力なんか平気だ。
死なないとわかっているから。
カルマにはこう言った。
"目の前で誰かが傷つくのが怖い"、と。
自分が暴力を受けるのはいい。
怖いのは、目の前で誰かがこいつに殴られたりするのが怖い。
大丈夫。
あれからもう長い時間が流れた。
いつまでも過去のトラウマを抱えるつもりはない。
俺は逃げなかった。
どうせ逃げられないなら、戦ってやるよ。
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羽衣瑠璃 - 空織さん» 空折さん、コメントありがとうございます。今日は更新する予定なので、楽しみにしていてください。 (2022年12月10日 16時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
空織 - 焦らずに更新してください。つづきまってます (2022年12月10日 10時) (レス) @page43 id: d73f191881 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃 - 空折さん» 空折さん、コメントありがとうございます。これからも楽しんでもらえるよう、頑張って更新していきます。 (2022年12月6日 17時) (レス) @page2 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
空折 - 面白かったです！続き待ってます！ (2022年12月6日 17時) (レス) @page32 id: 923c669e71 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃 - 綾崎さん» 綾崎さん、コメントありがとうございます。誤字報告助かります。ありがとうございます！ (2022年12月5日 22時) (レス) @page32 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2022年11月23日 20時
