台無しの時間�供�side:渚 ページ20
突然、目の前に現れたのは······高校生だった。
僕らより一回り大きい体。
それは、未知の生物の襲撃だった。
カルマくんは頭、杉野はお腹、そして僕は左頬を殴られる。
そしてそのまま、茅野と神崎さんとAさんが連れ去られしまった。
「み、皆！！ 大丈夫ですか！？」
すぐそこで奥田さんの声が聞こえた。
どうやら、奥田さんは無事だったみたい。
「······良かった。奥田さんは無事で」
「······ごめんなさい。思いっきり隠れてました」
いや、多分それが正解だよ。
すると、カルマくんは頭を押さえながら体を起こした。
「············車のナンバー隠してやがった。多分盗難車だし、どこでもある車種だし。犯罪慣れしてやがるよ、あいつら。通報してもすぐ解決はしないだろうね」
「そんな······」
「しかも、俺のAちゃんを連れ去るとか······！！ ねぇ、俺に直接処刑させてほしいんだけど」
カルマくん、完全に怒っている······
でも、直接処刑って······
僕らはどうすればいいんだ。
旅にトラブルはセットとはいえ、これはあまりにもでかすぎるトラブル······
どうすれば······
そんな時風が吹き、落とした僕のしおりがパラパラとめくれる。
······あっ！
僕はしおりの1243ページを開いた。
そこには······
「班員が拉致られた時の······って。普通、ここまで想定したしおり見たことねーよ」
「あはは。殺せんせー、恐ろしいくマメだから」
ほとんどいらないことばっかりだったけど。
「なんでも書いてあるよ。京都で買ったお土産が、東京のデパートで売ってた時のショックからの立ち直り方とか」
「何手先まで想定してんだよ！！」
「鴨川の縁でイチャつくカップルを見た時の、寂しい自分の慰め方とか」
「大きなお世話だ！！」
だよね。
でも······
「でも······おかげで少し落ち着いた。今すべきことがちゃんと書いてある」
僕はしおりをしっかり持つ。
「多分、大丈夫だ。皆、茅野と神崎さんとAさんを助けに行こう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽衣瑠璃(プロフ) - とまてぃーがーる。さん» とまてぃーがーる。さん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえるととても嬉しいです。 (6月10日 9時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - ！さん» ！さん、コメントありがとうございます。まだ続きがありますので、読んでくれると嬉しいです (6月10日 9時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
！ - 続きをお恵みくださいm(_ _)m (6月9日 22時) (レス) @page29 id: b6e4cc6331 (このIDを非表示/違反報告)
とまてぃーがーる。 - 心臓が死にそう！！！最高です！本当に！世界中の夢好きを堕としにくる作品です！ (6月9日 22時) (レス) @page28 id: b6e4cc6331 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2022年10月24日 21時
