集会の時間�� ページ2
昼休み、俺はいつものように勉強······をしていなかった。
ここは本校舎。
俺はある人物に呼び出された。
『で？ なんの用だよ······浅野』
「その格好と口調は相変わらず変わってないな······A」
理事長の1人息子にして、現生徒会長の浅野学秀は俺を見て笑う。
『別にいいだろ。つーか、今日全校集会なのに生徒会長がここにいていいのか？』
「もちろん、あとで行くつもりだ。そもそも、僕には優秀で使える下僕たちがいる」
『"下僕"って言うな。"下僕"って』
こいつ、こういう所は理事長とよく似てるよな。
人を支配下に置きたがる所とか、俺に過干渉な所とか特に······
『それで？ 忙しい生徒会長様がなんのために、落ちこぼれの俺を呼び出したんだ？ しかも、10分でこいと指示までして』
「君の昼食はゼリー10秒だろう。こっちが何度言ってもやめないんだからな。 なら、10分で来ることになんの問題もない」
『栄養補助のゼリーをナメんな。味は不味いけど、便利なんだよ』
素っ気ない俺の態度に浅野はため息を吐く。
すると、俺に1枚のプリントを渡した。
「今日呼んだのは、これを渡すためだ」
受け取るとそれは生徒会だより。
しかも端にはご丁寧に"A用"と書いてある。
「今日の集会で配る物だ」
わざわざ呼び出して渡したってことは······
生徒会の企みが簡単に想像できた。
······あー面倒臭い。
もういっそ、集会サボろうかな。
『······じゃ、俺は皆のトコに戻るから』
「おい、A」
『なに？』
もう用は済んだだろ？
今度はなんなんだよ。
「一体いつ、君は本校舎に戻ってくるんだ？」
はい？
「あの設備の悪いボロ校舎だ。そろそろ、本校舎に戻りたくなってきただろ？」
生徒会の企みよりも先に面倒なのがきた。
さて、なんて言おうか。
でも、こいつに下手に嘘ついても墓穴掘るだけだし。
『戻らない』
「どういうつもりだ······」
『たしかにE組はボロ校舎だ。お前の言う通り、台風とかでいつ潰れてもおかしくないようなボロさだ』
「そこまでは言っていない」
『でもな······楽しいんだよ、あそこは』
中学生活が初めて楽しいと思えた。
それに、こいつは大切なことを忘れている。
『それに、俺はこの前のテストで0点取った。むしろ、よく退学にならなかったよな』
「5教科すべて0点······それがどうした？」
はぁっ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽衣瑠璃(プロフ) - とまてぃーがーる。さん» とまてぃーがーる。さん、コメントありがとうございます。そう言ってもらえるととても嬉しいです。 (6月10日 9時) (
レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣瑠璃(プロフ) - ！さん» ！さん、コメントありがとうございます。まだ続きがありますので、読んでくれると嬉しいです (6月10日 9時) (レス) id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
！ - 続きをお恵みくださいm(_ _)m (6月9日 22時) (レス) @page29 id: b6e4cc6331 (このIDを非表示/違反報告)
とまてぃーがーる。 - 心臓が死にそう！！！最高です！本当に！世界中の夢好きを堕としにくる作品です！ (6月9日 22時) (レス) @page28 id: b6e4cc6331 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羽衣瑠璃 | 作成日時：2022年10月24日 21時
