Holy cow！３（JW） (ページ35)

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　なんでもない日に望が買ってきたスタァのエジソン箸とカトラリーセットのおかげで自分で食べるようになったとはいえ、まだまだ介助が必要だからじゅんたくんの食事はラウンジで摂るようにしている。すると見守ってたおとなたちに「見てたら腹減ってきた」と強請られ、そのタイミングで家にいるメンバーの分も作るようになっていた。

赤「〜〜〜照史っ！」

仕事で不在の淳太くん、モンチ、崇裕を除いた面々の晩飯を望とふたり掛かりで作っていると夢中になって映画を観ているはずのプレイスペースが騒がしくなったと思ったら血相を変えたしげがやってきた。

橙「どうしたん、そんな焦って」

赤「じゅ、じゅんたが…じゅんたが吐いてもうた…」

橙「マジか〜…今日変わったようすなかったよな…」

赤「なんか、ぐったりしてて…そんで、あの…」

橙「わかったから落ち着いて。望、こっちは頼んだ」

プレイスペースではしげに負けず劣らずわたわたしてる流星がじゅんたくんの背中をさすっていた──感染症かもしれないから細心の注意を払いながら吐瀉物を処理したあともじゅんたくんは何度か嘔吐を繰り返し、泣く気力もないのかしげの腕のなかでぐったりしている。

赤「えっ、あれ…じゅんた？」

橙「なに？どうした？」

赤「じゅんたの手が震えて……じゅんた寒い？」

橙「あかん、脱水症状起こしとるかもしらん」

すぐさまかかりつけの病院に連絡をいれ、今にも泣きだしそうなしげに喝をいれようと思ったら「おまえがそんな調子でどうすんねん」と最年少が一喝。ふぅーとひとつ深呼吸をして落ち着きを取り戻したしげと病院に向かった。

「はまちゃ…」

赤「うん…濵ちゃんがええよな、ごめんなぁ」

橙「じゅんたくーん聞こえるー？はまちゃんな、お仕事がおわって、そのまま病院に向かってるんやって。だからすぐ会えるよ、もうちょっとだけがんばれる？」

赤「照史、じゅんたがんばれるって！」

橙「よし！崇裕にいーっぱい甘やかしてもらおな！」

病院に向かう車内で混濁した意識のなかで譫言のように崇裕のなまえを何度も繰り返し呼んで助けを求めるじゅんたくんに、暗くて見えないけどしげは泣いてて。でも「ごめんな」「もうちょっとで濵ちゃん来るよ」と声を掛けつづけていた。

「──照史っ！！しげっ！！！」

病院に到着すると、いつも利用している裏口には汗だくの崇裕とじゅんたくんの担当医がおって、すぐさま処置室に向かった──。